みかん柑橘類の生産・加工・販売を行うミヤモトオレンジガーデンは、2024年2月、実践型農業ドローン教習所「スマート農業ドローンスクール」を愛媛県八幡浜市に開校した。

 同スクールでは、農業用ドローンの操縦資格(技能認定)を取得可能。実際の柑橘栽培にドローンを活用してきた知見により、みかん・柑橘栽培に特化した独自カリキュラム「柑橘農業ドローンコース」、請負散布への対応が可能になる「柑橘農業ドローンプロコース」などを提供する。ドローン国家資格のカリキュラムも準備中だ。

柑橘園地を飛行するドローン
自社園地で栽培している温州みかん

 農業では人手不足や耕作放棄地の増加が深刻な問題となっている。同社は、農業ドローンを活用することでこれらの課題に対応し、次の担い手となる若手人材を確保・育成することで、持続可能な農業を目指す。農業法人によるドローンスクールを開校し、分かりやすく実践的に学べる環境を作ることで、日本の農業に新たな技術を広めるとしている。

スクールの特徴

1. 実践重視の指導
 自社の圃場にドローンを実際に導入している農業事業者や、水稲などでの実践経験が豊富な講師が少人数で指導を行う。現場で求められる操縦技術や知識、現場で困ることを先取りして習得することができる。

2. 農業法人所有の農地での操縦訓練
 柑橘オリジナルコースの操縦訓練はスクールの農業法人が所有する農地で行う。実際の農地の傾斜地で操縦を行うことで、より実用的な操縦スキルを身につける。

3. サポート体制
 ドローンの操縦技術のほか、農薬や肥料に関するアドバイスから補助金申請のサポートまで、修了後はドローンの購入からメンテナンスまで一貫して対応。修了生限定のコミュニティや農薬・肥料散布の仕事紹介、農薬・肥料の仕入れ先紹介などのアフターサポートを提供する。

全天候対応ドローントレーニングフィールド
教習施設

 農業ドローンを活用することで、栽培作業の負荷を低減し、生産性を高めることができる。一方、現状の農業ドローン教習だけでは、実際の園地で飛ばす機会がなく、現場のノウハウが不足しているという。同社は農業ドローン活用のノウハウを生かし、教習を通じてスマート農業人材を育成することで、農業基盤強化、地域および農業界の発展に貢献するとしている。

▼スマート農業ドローンスクール
https://www.orange-garden-inc.jp/drone/