2023年11月13日、テムザックは、2023年11月11日に、害獣対策ロボット「雷鳥3号」を宮崎県延岡市の圃場に設置し、稼働させたことを発表した。

 同ロボットは、イノシシなどの害獣対策として、夜間に圃場に侵入した害獣を検知し、高圧で対象物に向けて放水を行う。放水により害獣が圃場から退散することが期待される。

 農業では害獣被害が大きな問題となっている。同社が2023年に稲作を行った圃場においても、収穫の数週間前にイノシシによる一部の稲穂の食害が発生した。そのため、害獣対策に効果が期待できるロボットを急遽開発することを決定し、短期間で雷鳥3号を完成させたという。

 同ロボットは、農作物の被害を防止するだけでなく、昨今大きな問題となっている熊などの動物を追い払うことにも応用できる可能性があるとしている。

害獣対策ロボット「雷鳥3号」

害獣対策ロボット「雷鳥3号」

 圃場に侵入し、農作物の収穫に大きな被害をもたらす害獣を追い払うロボット。

 日暮れ後の夜間帯において、圃場に侵入するイノシシなどの害獣をセンサーが自動的に検知し、圃場周辺の水路等からポンプでくみ上げた水を高圧にした上で対象物に放水する。自動的に検知して対象物に向けて放水するため、夜間の圃場の見回りや遠隔監視などの省人化に貢献する。

 テムザックは、2022年12月にロボットを活用した稲作について延岡市と連携協定を締結し、2023年春には最先端実践拠点として「アグリ研究所」を開設。農業経験のない者でも取り組める省力化農業 “WORKROID農業” として、米粉用米の水稲直播栽培を開始した。雑草防除ロボット「雷鳥1号」の開発・投入、ドローンによる播種作業の実施、水管理システムの運用などを実践してきた。米作りにかけた労働時間を既存農業と比べて大幅に削減し、800kg弱(24aの圃場)を収穫した。

 同社は今後、収穫ロボットなども開発して順次投入するとともに、収穫した米を米粉にすることで、6次産業化の仕組みづくりにも取り組むとしている。

ドローン直播
雑草防除ロボット「雷鳥1号」