2023年11月2日、SORA Technology(以下、ソラテクノロジー)は、東京大学大学院工学系研究科土屋研究室の森田助教(以下、土屋研)と秋田大学田島・吉田・櫻井研究室の櫻井助教(以下、田島研)と共同で進める「高効率で飛行できる固定翼UAV機の開発プロジェクト」が、2023年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のSBIR推進プログラム(一気通貫型 ※1)に採択されたことを発表した。高効率で飛行するUAV機を実現することで、途上国における医薬品のラストマイル配送の課題解決に貢献するとしている。

※1 経済産業省・NEDOがフェーズ1・2とその後の支援を一気通貫で行うもの

 SBIR推進プログラムは、内閣府が司令塔となって省庁横断的に実施する「日本版SBIR(Small/Startup Business Innovation Research)制度」の一翼を担うもので、NEDOも参画している。多様化する社会課題の解決に貢献するスタートアップ等の研究開発の促進および成果の円滑な社会実装を目的としている。

高効率で飛行する固定翼UAV機の開発プロジェクト

 ペイロード5kg、航続距離50km以上の固定翼UAV機を開発を共同で進める。機体形状の最適化による空力性能の最適化と高効率モータの開発による電動推進系の効率向上によって実現を目指す。

 ソラテクノロジーは、同事業で開発を進める固定翼UAV機を使い、アジアやアフリカの新興国での医療物資ラストマイル配送に対する課題の解決を図る。陸上交通の便が非常に悪い新興国において、ある程度の重量物でも運搬でき長時間飛べる固定翼UAV機を使うことによって、必要な場所に安定的に医療物資を配送することが可能になる。また、飛行に際してCO2を排出しない固定翼UAV機は、地球環境への負荷を軽減するとしている。

初期モデルの空力解析結果