2023年5月8日、藤成測量は、スカイブリッジ、ヘキサメディア、アイエイチプランニング、NTTコミュニケーションズ、DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)と合同で、2023年3月4日の渡良瀬遊水地での大規模ヨシ焼きにおいて、残火確認を実施したことを発表した。

 栃木市ならびに隣接する計6自治体、国土交通省、消防関係者とともに、ドローンや位置映像共有システム、トランシーバーアプリ、通信衛星などの最先端テクノロジーを活用した残火確認を行った。燃焼面積は15km²(東京ドーム約320個分)と国内でも最大規模だという。

渡良瀬遊水地ヨシ焼きドローン活用残火確認

 渡良瀬遊水地は栃木県の南端に位置し、同県と群馬・埼玉・茨城の4県にまたがる面積33km²、総貯水容量2億m³の国内最大の遊水地である。遊水地の樹林化防止、希少植物の保全、農作物に被害を及ぼす病害虫の駆除、野火の防止、良質なヨシの生育を目的にヨシ焼きを実施している。

 これまでの残火確認では、高台からの目視では広大な面積の小火の確認ができず、鎮火を確実に実施するため、翌日朝方まで時間を要することもあったという。

 今回の参画企業6社による残火確認では、ドローン5台を活用し、各離着陸地点を設定してドローン監視体制をとった。ドローンに高画質カメラを搭載して可視化、赤外線カメラで小火の情報も取得し、低遅延映像配信サービス(ZaoCloud)、トランシーバーアプリ(BuddyCom)を活用し、管理本部と消防関係者にリアルタイムで位置・映像情報を提供した。通信環境が万全ではない地点のことも考慮し、SpaceX社のStarlink(衛星通信)を設置して円滑な映像伝送を実現した。

 ドローンオペレーションシステムを活用したことで、31カ所の残火場所の位置情報を消防関係者へ提供。前年のドローン活用残火確認時よりも監視効率を向上させた結果、業務を2時間短縮した。

 今後こうした最先端技術を、防災、救命救助などの緊急性を要した用途や、老朽化が進む工場・プラント点検等にも応用するとしている。