2023年2月21日、2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)「未来社会ショーケース事業出展」のうち、「スマートモビリティ万博」における空飛ぶクルマ運航事業の参加企業を発表した。また、空飛ぶクルマの会場内ポート運営の協賛企業を決定した。
【空飛ぶクルマ運航事業 参加企業】
・ ANAホールディングスおよびJoby Aviation
・ 日本航空
・ 丸紅
・ SkyDrive
5社は万博会場内ポートと会場外ポートをつなぐ2地点間での空飛ぶクルマの運航の実施を目指し、今後、関係自治体や国の関係機関の協力を得て具体的な取り組みを行う。
【空飛ぶクルマ会場内ポート運営 協賛企業】
・ オリックス
万博会場内の北西に位置するモビリティエクスペリエンスに設置予定のポートの運営(整備・維持管理・撤去を含む)を行う。
空飛ぶクルマ運航事業 各社の取り組み
日本航空(JAL)
使用予定の機体は、ドイツVolocopter GmbH社(以下、Volocopter)が開発する2人乗りマルチコプター型の電動垂直離着陸機「VoloCity」。Volocopterは海外における試験飛行の実績を重ねており、2024年にはフランス・パリ、シンガポール等において商用運航を予定している。最高速度は110km/h、航続距離35km、最大積載量は200kg。
丸紅
丸紅は、英国Vertical Aerospace Group Ltd.(以下、Vertical社)製の空飛ぶクルマ「VX4」(航続距離160km超)の運航の実施を目指す。丸紅とVertical社は、2021年9月に日本国内における市場調査や事業参画検討の共同実施に関する業務提携契約を締結し、空飛ぶクルマ運航ビジネスの実現に向けた検討やエコシステムの形成を進めてきた。丸紅はVX4運航事業の早期実現を目指し、これまでに一部機体代金の支払いを実行し、25機分の購入予約権を取得している。
SkyDrive
SkyDriveは、2019年に自社が開発する空飛ぶクルマの有人飛行に成功し、2025年の大阪・関西万博開催時に大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現を目指して開発を進めている。
電動・垂直離着陸が特徴のコンパクトな2人乗り商用機「SkyDrive式SD-05型」は、パイロットが操縦を行い、コンピュータ制御のアシストにより飛行を安定させる。最大航続距離は約10km、最高巡航速度は100km/h(今後の設計開発の進捗によりデザインや仕様変更の可能性あり)。現在、国土交通省の型式証明取得を目指している。
今回の選定を受け、航路や飛行頻度、機体の稼働台数、サービス提供価格等の詳細を、2025年日本国際博覧会協会を含む関係者と順次協議、決定していくとしている。