2022年12月7日、東急不動産、オランダのSolarDuck B.V.、エバーブルーテクノロジーズは、東京都政策企画局が主導する「東京ベイeSGプロジェクト」の先行プロジェクトの公募事業において、「洋上浮体式太陽光発電」「自動航行帆船」の技術実証提案が、2022年11月4日付で採択されたことを発表した。

 先行プロジェクトでは、東京都の50年、100年先を見据えた持続可能な都市づくりを目指す東京ベイeSGプロジェクトにおいて、「最先端再生可能エネルギー」「次世代モビリティ」「環境改善・資源循環」の分野における先端技術の社会実装に向けた取り組みを中央防波堤エリアにて行い、東京ベイエリアから世界最先端を実現することを目指している。同事業は、最先端再生可能エネルギーの分野で採択された。

 3社は今後、洋上浮体式太陽光発電の実用化を目指すとともに、洋上で生成された再生可能エネルギーを用いて電動船の動力源とするほか、蓄電池の海上輸送実証を行うことで、未来の東京ベイエリアにおけるエネルギーの地産地消の実現に向けて取り組みを進めるとしている。

事業概要

 エネルギーの需給問題が取り沙汰されるなか、一大消費地である東京は郊外からの送電に依存している。ベイエリアでのエネルギー創出・海上輸送を達成することで、東京ベイエリアならではの都市モデルの実現に寄与する。

コンセプト:「未来の東京ベイエリアにおけるエネルギーの地産地消」を実現する。

事業イメージ

<事業体制>

東急不動産
 総合不動産企業である東急不動産は、2020年に開業した東京ポートシティ竹芝を同エリアの新たなランドマークとして、地域の特性とテクノロジーを活かした「デジタル×コンテンツ」のまちづくり、スマートシティを目指しさまざまな取り組みを行っている。
 同事業を通じて環境経営、DXを推し進めるとともに、SolarDuck B.V.、エバーブルーテクノロジーズをはじめとする連携予定企業とのパートナー共創による事業価値の最大化を目指す。

SolarDuck B.V.
 オランダとノルウェーにまたがり、海運業に根ざした洋上浮体式太陽光発電を手がけるSolarDuck B.V.は、オランダ最大の造船所であるDamen Shipyardsから分離独立して設立されて以来、独自の最先端技術により地域の要件に合わせた洋上太陽光発電を行っている。
 世界のエネルギー需要の増加に対応するための持続可能なソリューションを提供しており、特に脱炭素化の必要性と限られた土地面積のために、海洋空間でのソリューションが求められている。

エバーブルーテクノロジーズ
 エバーブルーテクノロジーズは、再生可能エネルギーを使った自動操船ヨットの実現により、地球温暖化の原因となる排出ガスを抑制することで、自然と共に歩む豊かな未来につなげることをミッションとしている。
 風力をダイレクトに推進力として利用した帆船の自動化技術を中心に、水上ドローンモビリティの技術開発でさまざまな社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献する。
 今回のプロジェクトでは、洋上で作られたクリーンエネルギーを、無人かつカーボンニュートラルな動力を使った水上ドローンで運搬する同社のコンセプト「HYDROLOOP」のスケールダウン版と位置づけ、スモールスタートでコンセプトを東京ベイエリアで実証する。

Plug and Play Japanとの連携を通じた海外スタートアップとの事業連携

 東急不動産は、米国シリコンバレーを拠点とするアクセラレーター・ベンチャーキャピタルであるPlug and Play Japanとの連携により、多くの国内外スタートアップと実証実験等を行ってきた。今回事業連携予定のSolarDuck B.V.は、Plug and Play Japanのアクセラレーションプログラムで採択されたオランダのスタートアップで、Plug and Play Japanを通じて事業連携を行う。