2022年7月15日、ACSLは、自社の煙突点検ドローンに対応した専用の基地局アプリケーション(以下、GCS)「Smokestack TAKEOFF」を開発したことを発表した。関西電力より受託して開発したもので、関西電力とそのグループ会社Dshiftの協業体制により実務適用できたため、煙突点検ドローンとGCSをセットにして同日より受注を開始した。

 発電所や化学プラントの煙突内部は、排出ガスの熱や酸腐食等により劣化していくため、定期的にゴンドラを架設する等して、目視点検を行う必要がある。点検時は稼働を停止した状態となり、ゴンドラを使った点検では一般的に2〜3週間かかり人手も要するため、コストと人員不足が課題となっている。また、高所作業のため安全面への懸念もある。

 こうした背景から、ACSLは関西電力より受託され、煙突内部の点検を行うための専用ドローンを2020年8月に開発した。ドローンの自動飛行による点検が可能で、安全かつ迅速に状況確認ができるという特徴を持つ。煙突1基あたりの点検時間は、詳細な点検で1〜2日、360度カメラで簡易的に見るだけであれば半日で完了する(求められる画像品質による)。また、高所作業による労働災害の心配もなくなる。

 今回ACSLは、煙突点検ドローンの実装を推進するために必要な専用GCSを開発。初めてドローンを活用して煙突内部を点検する場合でも、必要な情報を入力してボタンを押すだけで、安全に煙突内部を飛行させ点検データを取得することが可能となる。

 煙突の情報やカメラ設定および撮影条件を入力することで、最適な飛行設定を算出しルートを作成。ボタン1つで自動的に飛行撮影を行い、飛行中の各テレメトリ情報や点検用カメラの映像をリアルタイムで確認することができる。ドローン(ACSL-PF2)に搭載したカメラにより高精度な点検画像を取得し、微細なクラックの検知が可能である。

情報入力画面
飛行中のGCS画面