8月31日、経済産業省は2022年度の経済産業省 概算要求資料を発表した。エネルギー対策特別会計では、3案件の空飛ぶクルマとドローンに関する事業プロジェクトが公開されており、概算要求額や事業内容、成果目標、事業イメージが記された。これら3案件は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務として進められる。

次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト

資料名:「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」、出所:令和4年度 経済産業省 概算要求のPR資料エネルギー対策特別会計

 同プロジェクトは2022年から2026年の事業期間で開始する新規プロジェクトだ。事業目標は、ドローンおよび空飛ぶクルマの機体安全基準を適切に評価・証明する手法を開発し、1人で複数のドローンを飛行させるための技術開発を行うことである。これに加え、航空機、ドローン、空飛ぶクルマが同じ空域で効率的に飛行する空域共有方法の設計開発などが含まれる。空飛ぶクルマについては、2025年に開催する大阪関西万博での活用と事業化がひとつの目標に掲げられた。2022年度の概算要求額は38億円。

▼次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト
https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2022/pr/en/sangi_taka_20.pdf

次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発

資料名:「次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発」、出所:令和4年度 経済産業省 概算要求のPR資料エネルギー対策特別会計

 2018年から継続している同プロジェクトは、2023年までにAI技術の社会実装を目指すプロジェクトだ。ドローンは土木建築において、三次元地図の生成や位置推定、土砂運搬を効率化するAI・ロボットとして導入されている。AI・ロボットの導入によって、CO2排出量を年間約676万トン削減することが目標だ。2022年度の概算要求額は17億6000万円。

▼次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発
https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2022/pr/en/sangi_taka_05.pdf

次世代電動航空機に関する技術開発事業

資料名:「次世代電動航空機に関する技術開発事業」、出所:令和4年度 経済産業省 概算要求のPR資料エネルギー対策特別会計

 2019年から継続している同プロジェクトは、2023年までに空飛ぶクルマや旅客機の電動化コア技術の開発を行う。これには、安全性と信頼性を両立した高効率のモーターや、次世代電池による電力源などがあり、開発した電動化コア技術をもとに電動航空機の全機設計技術を開発するとしている。電動化コア技術を搭載した次世代航空機によって、2030年にはCO2排出量を1機あたり15%削減する目標だ。2022年度の概算要求額は27億2000万円。

▼次世代電動航空機に関する技術開発事業
https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2022/pr/en/sangi_taka_18.pdf