2020年12月1日、テラドローンは、日本航空(以下JAL)および宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)と、兵庫県養父市において小型固定翼ドローンの公開実証実験を行ったことを発表した。

 テラドローンは、JALと養父市が2020年1月に締結したドローンを活用した地域課題解決を目指す連携協定(*1)をもとに、養父市における実証実験に技術協力を行い、2020年3月に小型固定翼ドローンの実証実験は成功。医薬品ほか緊急物資の輸送など、ドローンを活用した物流サービスの提供による地域課題解決を検討してきた。

 今回、滑走路を必要とせず少ないエネルギーで長距離飛行が可能な小型固定翼ドローンを用いた災害応急支援物資の輸送を行うと同時に、JAXA協力のもと、災害時におけるドローンと有人航空機の運用調整を想定した、ドローンと有人航空機の位置共有および衝突回避の有効性を検証する実証実験を公開した。

 この実証実験を通じて、テラドローンは養父市やJAL、JAXA協力のもと、医薬品ほか緊急物資の輸送など、ドローンを活用した物流サービスに関する運用の課題抽出や事業化に向けた検証、ならびにドローンと有人航空機の情報共有システムの有効性の検証などを行っていくとしている。

*1 JALと兵庫県養父市が連携協定を締結、ドローンを用いた地域課題解決を目指す(2020年1月24日 JALプレスリリース)

実証実験 概要

実験時期 :2020年3月
飛行経路 :公立八鹿病院敷地~(八木川上空)~国民健康保険 出合診療所付近までの約25km
輸送物 :災害応急支援物資(包帯などの衛生物資、市販薬、模擬アンプル)
無人機運航管理システム :Terra UTM

公開実証実験 概要

実験時期 :2020年11月
飛行経路 :関宮地域局~(八木川上空)~国民健康保険出合診療所付近までの約5km
輸送物 :災害応急支援物資(包帯などの衛生物資、市販薬、模擬アンプル)
無人機運航管理システム :Terra UTM
有人機運航管理システム :D-NET

主な役割

テラドローン :Terra UTMの提供、および小型固定翼ドローンの運航
JAL :安全文化の醸成、旅客機運航の知見を活かした運航管理ノウハウの提供
JAXA :実証実験エリアを飛行する有人機情報の災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)を活用しての提供
養父市 :実証実験などに際しての地域および関係者との調整など受け入れ態勢の構築と維持

<協力>

公立八鹿病院組合、国民健康保険 出合診療所、出合校区協議会 :実証地の提供および協力
メディセオ :試験用機材(輸送用筐体、模擬アンプル、温度ロガー)の提供