Japan Drone 2024でAirXは、中国で初めて型式証明を取得したEHang Holdings Limited(以下、EHang)社製の空飛ぶクルマ「EH216-S」の実機展示と、大手航空機メーカーであるエンブラエルの傘下となる「Eve Air Mobility」の機体の解説を行った。

EHang社製 空飛ぶクルマ「EH216-S」

EHangの空飛ぶクルマ「EH216-S」

 EHangの「EH216-S」は、中国で初めて型式証明を取得した空飛ぶクルマだ。この型式認証はあくまで中国内に限定した型式認証であるため日本国内での商用運航には適用されないが、今後の空飛ぶクルマに関する開発が加速する起点となるだろう。

 EH216-Sは2名乗車可能な完全電動の設計が特徴であり、飛行時間が約20分、航続距離は約35kmと短距離の遊覧飛行を目的としている。今後中国ではヘリコプターを使ったチャーター事業に置き換わっていくとも言われており、今後の発展が期待される。

 中国ではまだ積極的な運用はされておらず、一定の地域でスローペースで増やすため地域や利用者を限定して導入が促進されているとのことだ。

 EH216は、目的別に横展開されており、短距離遊覧が目的の機体もあれば、貨物輸送目的で活用される機体もあるなど、いくつかの機種が開発されている。

 AirXの担当者はEHangと提携を決めた理由として「圧倒的にローンチまでが早く、完成度も技術も高く、さまざまなメーカーとやりとりさせていただく中でも飛ばせるメーカーからお願いしていくスタンスであったため、その点ではEHangは圧倒的だった」とコメントした。

AirXとEve Air Mobilityの提携

Eve Air Mobilityの機体の解説パネル

 AirXは、次世代エアモビリティの社会実装を目指し、大手航空機メーカーエンブラエル傘下のEve Air Mobility社と提携した。この提携は2024年に開始され、万博後の社会実装を見据えた事業展開を計画している。

 Eve Air Mobility社はエンブラエルのバックボーンを持つ航空機メーカーであり、信頼性が高い企業として知名度を確立している。中型機体で都市内の短距離移動や観光用途に適しており、2027年に日本に機体を導入予定だ。

 AirXはEve Air Mobility社の機体をリース形式で各航空会社に提供する予定であり、担当者は「現時点では10機の事前購入契約を締結し、さらに40機の購入権を取得している」と語った。

 AirXはEve Air Mobility社の機体を使って都市内の短距離移動や観光用途での運用を計画しており、2020年代後半から2030年にかけての社会実装を目指しているとのことだ。

 Eve Air Mobility社の機体は、自律飛行が可能で、グランドオペレーターによる遠隔操作もサポートしており、高度なセンサーとAI技術を搭載して安全性を確保している。次世代エアモビリティの社会実装が加速し、都市内の移動手段としての可能性が広がることが期待できるだろう。

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