スカイブリッジは、2024年7月24日から26日の間、東京ビッグサイトで開催された「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2024」の一環として行われた第50回プラントメンテナンスショーに出展した。同社はドローンによる点検や3次元測量などのソリューションを展示し、多くの来場者の関心を集めた。同社の共同代表である小林隼人氏に、事業概要や出展の目的、顧客の反響などについて聞いた。

写真:スカイブリッジが提供するドローン点検、3次元測量について説明するパネルとモニター
スカイブリッジのソリューションは、幅広い分野に採用されている

プラントから遊園地まで、幅広い分野で採用されるスカイブリッジの技術

 スカイブリッジは、創業33年の測量会社である藤成測量の関連企業。長年の測量技術をドローンに応用し、各種点検や3次元測量、デジタルツイン技術などを提供している。顧客は建設業、製造業、エネルギー、宇宙関連など幅広く、特に遊園地などの分野では業界でも屈指の存在だという。また、機械系商社の椿本興業がセールスパートナーとなっているため、大手企業からの引き合いも多いそうだ。

 ドローンによる点検は、プラントのタンク、パイプラインなどの屋外だけでなく、煙突やボイラー、天井裏といった屋内施設も対象としている。また、橋梁やジェットコースター、観覧車、送電線、太陽光パネルなど幅広い設備をカバーしている。ドローン自動飛行技術によって写真や動画、赤外線などのデータを収集し、AI解析を用いてボルトや溶接部、サビ、亀裂などを俗人化せずに検出・点検する。これにより、従来の手作業では困難だった詳細な点検が可能となる。

 3次元測量においても、プラント全体の3次元化や、製鉄や石灰石など原料ヤードの測量、写真やレーザー・SLAMを使った測量に対応している。ほかにも解体前の建造物や文化財のデジタルアーカイブにも力を入れている。多様な技術を取り入れ、総合的なソリューションを提供するのが強みだ。

 同社のブースには、プラント関係の事業者やゼネコン、設計や施工、エンジニアリング会社、BIM/CIMに取り組む企業、交通関係や電力に関連した設計会社の人々などが訪れた。

 反響について小林氏は「ドローンでの撮影を行う企業はありますが、当社は撮影だけでなく、測量のノウハウ、BIM/CIMおよびデジタルツイン環境構築の技術を持っています。また、ソリューションを提供するだけでなく、お客様の内製化支援も行っています。そのため『ここまで幅広く対応する企業はなかなかいない』という評価をいただきました。大盛況でとても忙しかったです」と語る。

写真:スカイブリッジの展示ブース。モニターの手前にドローンが展示されている。
測量技術を基礎とした高い信頼性が強み

海外展開を見据え、韓国や台湾案件への進出計画

 これまでの経験を基礎に、さまざまな技術を組み合わせたソリューションを展開するスカイブリッジは、今後1年で数倍の規模に成長したいと考えている。それを達成するための鍵となる要素の一つが海外展開だ。韓国のゼネコン関係者もブースを訪れ、熱心に話を聞いていたという。

「日本のドローン活用は、国交省の支援もあって高いレベルにあります。私たちは製造業や建設業の状況に詳しいので、アジア各地に存在感を示せると思っています。現在、台湾のプラント案件の相談もいただいています。社内には海外事業に詳しいメンバーも多く、今後数年でアジア進出を成功させたいです」(小林氏)。

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