株式会社セキドのブースで展示されていたDJI Matrice 300 RTK。

 2023年5月24日~26日に幕張メッセで「建設・測量生産性向上展2023」が開催された。セキドは、DJI社の産業向けドローンのラインアップを展示した。MavicシリーズやMatriceシリーズなど、多くの産業向けドローンを取り扱うセキドに、DJI社のドローンを業務に導入する際の選び方や使い分けについて伺った。

「DJI Matrice 300 RTK」と「DJI Matrice 350 RTK」の違いとは

 現在、多くの点検業務や測量業務、さらには災害救助といった現場で「DJI Matrice 300 RTK」が導入されている。2023年5月には、同機種の後継機となる「DJI Matrice 350 RTK」が発表された。

 DJI Matrice 350 RTKは、通信性能の向上と新型送信機「DJI RC Plus」の採用がアップデートの最大の特長だ。これまでのMatriceシリーズ同様に、ペイロードを交換することで、測量や点検、災害対応など幅広い分野で活躍できる機体となっている。

 DJI Matrice 300 RTKは2つのアンテナを備えていたが、DJI Matrice 350 RTKでは、さらに副アンテナが追加された。これによって、機体と送信機の通信安定性を高め、最大通信距離20km(日本は8km)となった。担当者は「前方と後方の両側にアンテナが設けられました。これによって、機体の方向にかかわらず安定した通信を確保できます」と話す。なお、DJI Matrice 350 RTKには防水性能が施されているが、後付けするカメラには防水性能がない製品もあるため、カメラを選ぶ際には注意したい。

 そのほか、バッテリーにもモデルチェンジが施された。従来のバッテリーサイクルは約200回とされていたが、倍の約400回まで寿命を延ばすことに成功している。また、放熱効率も高められている。

刷新された送信機のDJI RC Plus。

 送信機は、DJI Matrice 30シリーズやDJI Inspire 3と同様の「DJI RC Plus」を採用している。7インチ高輝度ディスプレイを備えており、視認性と操作性が各段に向上した。

 担当者は「従来の送信機では手を離してボタンを操作する必要がありましたが、DJI RC Plusでは、手を離さずにワンタッチでカメラの切り替えなどを操作できるようになりました」と話す。DJI製の「DJI Zenmuse L1」や「DJI Zenmuse P1」は、DJI Matrice 350 RTKに搭載できるが、空撮カメラである「DJI Zenmuse Z30」やサーマルカメラの「DJI Zenmuse XT2」は使用できないため注意したい。

小型な「DJI Mavic 3E」や「DJI Matriceシリーズ」の導入を考える

小型で取り回ししやすいDJI Mavic 3。

 大規模な測量に向いているのはDJI Matrice 350 RTKだが、小面積の測量であれば、コンパクトな「DJI Mavic 3E」でも十分だという。DJI Mavic 3シリーズは小型で持ち運びに優れたドローンだ。

 担当者は、「測量する土地の規模感に合わせてDJI Matrice 350 RTKや、DJI Mavic 3Eという選択肢を検討してください。ただし、DJI Mavic 3には防塵・防水性能はないため、悪天候の飛行ではDJI Matrice 350 RTKが必要です」と説明する。
 また、Matriceシリーズの選択については、「DJI Matrice 350 RTKとDJI Matrice 30の大きな違いは防水性能の有無です。悪天候でも飛行させる業務であれば、DJI Matrice 350 RTKを選択すると良いでしょう。なお、DJI Matrice 300 RTKとDJI Matrice 350 RTKでは、新型の送信機や伝送距離の向上など、扱いやすさが改良されていますので、買い替え時期の方はこのタイミングで導入すると良いでしょう」と教えてくれた。

ズーム性能にこだわりたいなら「DJI Mavic 3 Pro」を選ぶ

「DJI Mavic 3 Pro」は三眼のカメラが搭載されたことで、高解像度の映像を撮影することが可能になった。担当者は、「従来の点検では、カメラの精度が足りず、ドローンを建物に接近させて撮影する必要がありました。これは、衝突などのリスクがあり、できるだけ被写体との距離は確保したいところです。そこで、DJI Mavic 3 Proを用いれば、建物に近づくことなく遠くからズーム機能で十分高精度な撮影が行えます」という。DJI Mavic 3 Proは、光学7倍ズームでの4K/60fps動画撮影が可能となっているため、ズームした場合でも細部まで鮮明な映像を撮影できる。

「DJI Matrice 30シリーズ」とDJI Mavic 3の違いとは

「DJI Matrice 30シリーズ」とDJI Mavic 3の最たる違いは、防水機能だ。DJI Matrice 30シリーズは保護等級IP55性能を誇り、防水性と防塵性を兼ね備えている。それに対し、DJI Mavic 3には、防水性能は備わっていない。さらに、DJI Matrice 30シリーズの強みは、ズームカメラや広角カメラのほか、赤外線カメラやレーザー距離計などを備えていることだろう。

 DJIから多くの産業向けドローンが発表となったことで、どの機体を選べば良いかと検討しているユーザーも多いはずだ。業務内容や利用頻度、導入コストなどを考慮して最適なドローンを手にしてほしい。

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