2025年の大阪・関西万博では、「未来のモビリティ」と「最先端のロボット技術」が実際に体験できる。大きな話題を呼んでいるのが空飛ぶクルマであるが、それ以外に会場を走る自動運転EVバスや、水素とCO₂を活用したシャトルバス、最新の電動カートやパーソナルモビリティなど、これまで映像でしか見られなかった次世代の乗り物たちが次々に登場。
さらに、人と共存するロボットの実証実験も進み、会場内では配膳や案内、警備を担うロボットが自然に動き回っている。まさに“未来社会の縮図”が広がる会場となっているので、驚きとワクワクが詰まった次世代体験を楽しもう。
▼【大阪・関西万博】空飛ぶクルマの今後の運航スケジュールは?見どころを解説
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自動運転や給電も!100台が走る次世代EVバス
大阪・関西万博では、会場の内外で100台ものEVバスが運行している。会場内では大屋根リングの内外に沿って時計回りと反時計回りのルートが整備されており、一部区間ではレベル4の自動運転が行われ、走行中に給電が行われる技術が導入されている。
バスの停車場は6カ所、1周の所要時間は約20分。有料での運航で、スムーズに乗車するには予約が必要なので注意が必要だ。車内では、ナビゲーターの「MAI」がバスの秘密についてクイズ形式で紹介してくれる楽しみも用意されている。また、バスの運転士は乗車しているが、自動走行が可能な仕様となっている。
会場外の一部ルートでは、水素とCO₂から作られた合成燃料を使った「万博シャトルバス」も運航されており、脱炭素社会に向けた技術にも注目が集まっている。
無料貸出も!パーソナルモビリティでゆったり移動
会場内では、さまざまなパーソナルモビリティの体験も可能である。例えば、ダイハツが提供する電動カート「e-SNEAKER」は、最長4時間まで無料で貸し出されており、会場内をゆっくり移動できる。車両は150台が用意され、基本は高齢者や長距離歩行が困難である方が優先となるが、予約制ではなく、東西ゲートに近い貸出所で当日のみ先着で申し込みを受け付けている。
また、ホンダのイス型パーソナルモビリティ「UNI-ONE」の最新モデルも、会場内で不定期に試乗体験が行われている。試乗場所は「フューチャーライフヴィレッジ」周辺の空飛ぶクルマのポート付近で、スケジュールは万博の公式アプリなどで確認可能である。
会場内はロボットだらけ!「ロボットエクスペリエンス」を体感しよう
大阪・関西万博の会場内では、次世代のさまざまなロボットの実装や実証を進めるプロジェクト「ロボットエクスペリエンス」が実施されている。
約20の企業や団体が、合わせて約50機のロボットを出展しており、今後もさらに数が増える可能性がある。「ロボット&モビリティステーション」では、それらのロボットが一堂に展示されており、実演や体験会も行われている。来場者は開発関係者に直接質問することもできるので尋ねてみると良いだろう。
四足歩行ロボットや案内ロボットも登場
ロボット&モビリティステーション以外にも、各国のパビリオンであらゆる最先端のロボットを見ることができる。
その中のひとつであるシグネチャーパビリオン「いのちの未来」は、タレントのマツコ・デラックスさんの姿をロボット化した「マツコロイド」の開発者である大阪大学の石黒浩教授が監修を務めた。“ヒトと共存する未来”をコンセプトに、50年後、1000年後に進化したアンドロイドが展示されている。また、日本の企業と団体が共同出展する「未来の都市」エリアでは、人が乗れる四足歩行ロボットや農業に活用可能な汎用型のプラットフォームロボットが展示されている。
会場内では、見かける機会が増えつつある警備ロボットや配膳ロボットが、多くの人の流れの中に自然に溶け込んで活動しており、「ロボットが日常にいる未来」すなわち“人とロボットが共存する社会“が当たり前にやってくるのを感じられる。
そして、多くの人が足を運ぶフードコートでもロボットが稼働している。多数の店が出展している中、たこ焼きを販売する「くくる」では、ロボットがたこ焼きを焼いてくれるということで話題となっている。ユニークなアイデアに加え、何とも言えないにこやかな表情が多くの人の目を惹きつけていた。
会場を歩いていると、思いがけない場所で未来のモビリティやロボットに出会えることもある。例えば、スイスパビリオンでは「ソフトロボット」の展示があり、やわらかい素材でできたロボットが注目を集めるなど、あらゆる近未来な技術に驚かされる。このように、大阪・関西万博では移動手段や暮らしの中で活躍する最先端技術を間近で体感できる。来場の際は、モビリティとロボットの最前線に触れる体験を楽しんでほしい。