アライドテレシスはスマート工場化、DXが進む製造業向けに「つながらない」「通信が途切れる」といった課題を解決するソリューションとして、工場内のさまざまな機器のネットワーク化をはじめ、工場や本社、支店といった遠隔の拠点間をつなぐネットワークの強化を図る対策について紹介した。

移動中も途切れない快適な無線LANへ 独自技術を紹介

ネットワークや端末の接続状況、位置情報の可視化が可能な管理ツール「Vista Manager」シリーズと独自技術「AWC-CB」のデモンストレーション。

 注目を集めたのは、「つながらない」「途切れる」を解決する工場内の移動端末に最適な無線LAN「Vista Manager」シリーズ×「AWC-CB」のデモンストレーション。移動しながらでもスマートウォッチ(ユビテック・「TicWatch E3」)やハンディターミナル(キーエンス・「BT-W300シリーズ」)、AGV(キングソフト・AIサービスロボット「Lanky/Lanky Porter」)といった端末の通信が途切れないローミングレスの様子を実演。独自技術AWC-CBの紹介とともに、ネットワークや端末の接続状況、位置情報の可視化が可能な管理ツールVista Managerシリーズを紹介した。
 AWC-CBは、移動中も途切れない無線LAN。エリア内の複数のアクセスポイントが同社独自のチャンネルブランケット方式で同一チャンネルを使うため、端末が移動してもローミングが発生することなく通信が途切れない。従来の方式では、端末がアクセスポイントを選択して接続していたが、AWC-CBでは端末の動作に依存せず、電波の強いアクセスポイントが自動的にデータを転送するため、ローミングやスティッキー問題を解決してくれる。

AIロボットやAGVは無線LANの活用方法の1つ

 展示ブース内で多くの人が行き交う中をぶつかることなく移動していたのがキングソフトのAIサービスロボット「Lanky」と配膳ロボット「Lanky Porter」だ。開発は中国のオリオンスターテクノロジー社で、Lankyは日本国内の博物館、図書館、ホテル、銀行、医療施設、学校、ショッピングモールなど20を超える施設で導入されている。両機種とも通信環境にWi-Fiが必要とのことで、今回のアライドテレシスのデモンストレーションに協力したという。

AIサービスロボットLanky。高さ133.5cm、重量は31kg。日本語、英語、中国語、アラビア語でコミュニケーションを取ることができる。全方向のカメラと赤外線センサーで障害物を避けての走行が可能。

 Lankyは、全方向のカメラと赤外線センサーを使った障害物回避や、不特定多数とのコミュニケーションが可能で、顔認識機能を活用した先進的な対人コミュニケーションも行える。さまざまな場所で高度な顔識別機能と音声認識機能によって来訪者とコミュニケーションをとり、適切な場所への案内をメイン機能としている。そのほかにも警備機能や顔部分のディスプレイを使用したサイネージ広告活動などユーザーの希望により機能を拡充してのカスタマイズが可能だ。

自律走行型の運搬・配膳ロボットLanky Porter。機体の底の6つのローラーと搭載カメラ・センサーで、安全で自由自在な走行が可能。高さ132.0cm、重量47kg。人手不足の解消や人と人との接触機会を減らすことができることでも、飲食店や医療機関等での配膳や運搬作業にぴったり。
Lanky Porterのデモンストレーションの様子。

 Lanky Porterは自律走行型の運搬・配膳ロボットだ。機体の底の6つのローラーと搭載されているカメラ・センサーによって、安全で自由自在な走行ができる。3層の棚は、1層あたり14kgまで積載可能。頭部ディスプレイに画像や動画を投影することで、飲食店や小売店などで広告宣伝を行うツールとしても活用できる。飲食店や病院、介護施設やスーパーマーケットなど、人の多い場所であってもセンシング技術によって障害物を回避し、走行する。デモンストレーションでも人やモノを認識し、ぶつかることなく走行していた。
 アライドテレシスの担当者は「弊社の無線LANソリューションの活用事例の1つとして今回のデモンストレーションに協力してもらった。無線LANとAIロボットの組み合わせは、運搬や画像・音声を使ったコミュニケーション、遠隔での監視業務など活用の場は多く、今後ますます導入が進んでいくと思う」とのことで、今後、身近にAIロボットやAGVの姿を見ることが増えそうだ。