中国メーカーのAGRは、自動充電用発電機とセットでの運用を特徴にした農薬散布機AGRシリーズを販売。新たに22ℓタイプの2021年モデルを発売し、JapanDrone2021のAGR JAPANブースで展示した。

4本のバッテリーで現場が回るAGRの農薬散布機

新たに発売されたAGR-A22。サイズは1210(L)×1210(W)×570(H)mm。
送信機はディスプレイ一体式。言語は一部片言ではあるものの、日本語に対応している。

 AGRは2017年から日本での取り扱いを開始。10ℓタイプの「AGR-Q10」や16ℓタイプの「AGR-A16」といった、散布量に合わせたサイズをラインナップしている。今回、新たにRTKに対応した22ℓタイプの「AGR-A22」が加わった。

農薬タンクの下には大型のバッテリーを搭載。

 AGR-A22は22000mAhの大容量バッテリーを搭載。22ℓの薬剤を載せた離陸重量は48kgで、飛行時間は約15分となる。おおよそ10分の飛行で2haの農薬散布が可能だという。

大型バッテリーと自動充電用発電機AGR-C6000。充電はコネクタで接続するだけだ。

 大型の22000mAhのバッテリーは、AGRの自動充電用発電機「AGR-C6000」とセットで運用することを想定している。自動充電用発電機はバッテリーの状態を自動的に解析し、適切に充電を行い、コネクタで接続することで2本同時の充電が可能だ。そして、なんと20分で充電を完了させるという。そのため、他メーカーでは現場のオペレーションを回すために、8~10本程度のバッテリーが必要だったが、AGR-A22とAGR-C6000の組み合わせであれば最低4本のバッテリーで連続した飛行が可能になる。

 また、AGR-A22と自動充電用発電機は軽トラックに積載可能なサイズで、充電するバッテリーをつなぐことで、自動充電用発電機の始動電力にもなる。発電機といえばリコイルスターターが一般的だが、バッテリーをつなげばスイッチ1つで始動できるといった具合だ。

 農薬散布はほとんどが自動飛行だ。最初に飛行エリアを四角で囲むと、スタート地点から直線に往復する経路で数mずつ横に移動していくルートが生成される。その次に、散布間隔と圃場外周の安全マージンを設定。そして飛行ボタンを押せば、あとは自動で散布を開始する。搭載するT型ノズルスプレーによって、8mの均一な散布幅が実現した。さらには、搭載する薬剤量をリアルタイムで表示することや障害物検知による回避など、機能面も充実している。

 2017年からAGRのドローンを日本で販売する担当者は、「国産の農薬散布機は未だ価格が高い傾向だ。AGR-A22は機体価格が約150万円で、バッテリーも最低限の数で済む。近年は農薬散布の請負業者が農薬散布ヘリからドローンへ切り替える動きが見られるなど、農薬散布に対するドローンの需要は増えている」と話した。