2025年1月21日、能美防災は、ドローン技術を活用した煙感知器の加煙試験器を開発し、日本消防設備安全センターの性能評定を取得したことを発表した。

 2025年春より、同社のメンテンナスサービス契約者を対象に、高所でアクセスが困難な場所に設置された煙感知器の作動試験での運用を開始する。ドローンを活用することで高所作業用の足場を不要にするなど、作業の効率化とコスト削減を実現する。

写真:加煙試験器を搭載したドローン

 自動火災報知設備で使用される煙感知器は、火災時に発生する煙を捉えるため天井に設置される。煙感知器は定期的に点検を行い、適正に維持管理を行うことが求められる。

 従来の点検では、非常に長い点検用支持棒に装着した加煙試験器を2人がかりで保持・操作をしたり、点検用支持棒で届かない場所では高所作業用の足場を用意したりするなど、点検作業に伴う危険性があった。

 ドローンに搭載した加煙試験器を使用することで、点検に係る時間短縮とコスト削減を実現し、建物に設置された自動火災報知設備の機能維持に貢献する。

写真:天井の煙感知器に近づくドローン
写真:ドローンが煙感知器に達し、点検を行う様子

【ドローン加煙試験器の特徴】

  • ドローン搭載用加煙試験器として性能評定番号を取得しており、法定点検で使用が可能。
  • 従来の試験器より軽量なため、各種ドローンに積載が可能。現場に応じたドローン(能美防災が飛行検証を行った指定製品)を選択することできる。
  • 加煙装置部分は角度調整機構を持ち、斜め天井などの特殊な形状をした天井に設置された煙感知器にも柔軟に対応する。
性能評定番号評2024-005号
型名FTGJ002-F
種別加煙試験器
用途イオン化式/光電式スポット型感知器の作動試験
寸法・質量W346mm×D239mm×H235mm、約290g(ドローンを除く)