2025年1月8日、Kailas Robotics(カイラスロボティクス)は、同社が開発するロボットアーム「MobiRobo」が、世界最大規模のテクノロジー見本市「CES 2025」においてInnovation Awardを受賞したことを発表した。

 MobiRoboは、重量2.5kg、消費電力50W以下の省エネ設計で、既存の作業環境を変更することなく即時導入が可能。ドローンやUGV、食品工場、農業など、さまざまな分野に対応する。

ドローンにも搭載可能な小型軽量精密ロボットアーム「MobiRobo」

 ロボットが人と同じ現場で協働するためには、安全基準上からも消費電力が低く、製造ラインの変更を必要とせず、変種変量生産にも柔軟に対応しやすいことが求められる。そこで、小さいものや柔らかいもの、危険物などをピックアップするロボットアームに注目が集まっている。

 Kailas Roboticsは2022年よりロボットアームの開発に取り組み、2024年に現在のモデルを完成させた。直観的に操作ができ、軽量かつ省電力設計で導入しやすいことから、人手が不足する食品加工工場や農業分野、作業者に危険がともなう高所など危険箇所の非破壊検査、紛争地帯での不審物処理など、幅広い分野で活用が始まっている。

 例えば、危険箇所での非破壊検査では、超音波プローブや打音検査機と組み合わせ、MobiRoboをドローンに搭載することで、橋梁やオイルタンクの検査を安全かつ迅速に実施。これにより人員のリスクを軽減し、点検コストを削減する。また農業では、圃場などの不整地でUGVが移動しながら果物を収穫。収穫効率が向上し、農産物の安定供給と農業領域での人手不足を解消する。

 同社は今後、国内外の食品工場やインフラ点検、公共安全・防衛分野での利用拡大を図るとしている。