2024年7月18日、ワールドスキャンプロジェクトと東京大学生産技術研究所(以下、東大生研)の研究チームは、深海環境におけるレアメタル資源に関する情報を取得して解析するためのシステムを共同開発したことを発表した。同研究チームは2023年に、資源が有望視されている1700mの海底において磁気データの取得に成功した。

 同システムは、有索遠隔操縦ロボット(ROV)に、ワールドスキャンが開発した新型磁気センサー(金属探知センサー)と、東大生研ソーントン研究室が開発した3D画像マッピングシステムを搭載し、海底に存在する磁気反応を詳細に調査する。

深海調査用の大型ROVに取り付けた新型磁気センサー

 2023年のROVによる海底磁気調査では、新型磁気センサー「ジカイ」と3D画像マッピングシステム「SeaXerocks3」とをROVに搭載して計測を行い、深海1700mの海底において磁気データの取得に成功した。

 ジカイは磁気検出能力を活用して海底の磁気異常を詳細に調査でき、SeaXerocks3は、海洋底の高精度な位置(緯度経度)、底質、微地形を測定することができる。磁気異常データと、SeaXerocks3が取得した当該位置、底質、微地形データの相関を解析することで、磁気異常データの性質を評価している。

 深海には、銅・鉛・亜鉛などのベースメタルや、リチウムイオン電池の材料などに使用されるコバルトなどのレアメタルを多く含んだ海底鉱物資源が点在していることから、今後、深海の磁気異常計測により、海底のレアメタル資源の分布を把握することへの活用が期待される。同研究チームは、深海のレアメタルの存在量と位置情報を把握し、正確な海底資源マップを作成することを目指す。

 また、洋上風力発電施設で発電したエネルギーを送電する水中ケーブルには強い磁界が発生し、従来の金属探知センサーでは正確な測定が困難であることから、強い磁界環境の影響を受けにくいジカイを小型化し、自律型海中ロボット(AUV)に搭載して効率的な洋上風力施設の点検を行うことを目指すとしている。

写真:ROVに取り付けられたSeaXerocks3
3D画像マッピングシステム「SeaXerocks3」