2024年5月23日、西日本電信電話(以下、NTT西日本)とジャパン・インフラ・ウェイマーク(以下、JIW)は、NTT西日本の橋梁管路と鉄塔の点検業務効率化に向けて、遠隔拠点からドローンを操作する実証実験を実施したことを発表した。同実証は2023年12月から2024年3月にかけて行い、遠隔操作によるドローン点検が技術的に可能であることを確認した。

 高度経済成長期に集中的に整備され、建築後50年以上経過するインフラ設備は、今後加速度的に増加する見込みである。労働人口減少に伴い点検人員は不足しており、効率的な点検体制の確立が求められている。

 NTT西日本は、橋梁管路および鉄塔の点検にドローンを活用してきたが、操縦者が点検場所へ移動する必要があるため、操縦者の確保が課題となっていた。

実証実験について

 実証実験では、西日本エリアの市街地および山間・島嶼部の橋梁管路と鉄塔を対象に点検品質の確認を行った。遠隔操作は、現地補助者が専用のドローンポート「Skydio Dock Lite」および機体「Skydio2」を現地に設置し、操縦者が遠隔の事務所からドローンを操作して橋梁管路と鉄塔の撮影を行った。

 その結果、遠隔操作でも安定した飛行で通常点検と同等の撮影・診断が可能であること、操縦者の現地への移動がなくなることで移動に労力ががかる点検箇所の効率化が可能となることを確認した。

実証イメージ
各社役割
NTT西日本橋梁管路・鉄塔設備の所有者、点検DXの推進の検討
JIW遠隔操作によるドローン点検の技術検証

 今後NTT西日本グループは、自社の橋梁管路と鉄塔の点検について遠隔操作によるドローン点検の活用を推進し、撮影後の診断についてはAIを活用することで、さらなる効率化を検討するとしている。また、自治体や民間事業者へ活用を拡大させる方針だ。

鉄塔のAI診断イメージ(赤:透け、青:サビ)