2024年3月18日、東日本電信電話山梨支店(以下、NTT東日本山梨支店)は、NTT e-Drone Technology (以下、NTTイードローン)と、山梨県企業局が目指す水力発電所の点検業務の効率化および災害時の初動対応の迅速化において、ドローン設備点検システム等の導入ならびに運用支援を行っていることを発表した。

水力発電所屋内設備への点検ドローンシステム導入・運用支援

 発電所の集中監視を⾏っている発電総合制御所から最も遠い発電所までは⽚道2時間を要し、台風や⼟砂災害などで道路が崩落するなど移動に伴う危険が⼤きいことから、屋内設備点検ドローンシステムを導入。遠隔操縦および屋内自動航行が可能なドローン設備点検システムの構築、運用支援を実施している。

 使用機材は、全方位障害物回避機能を備え、Wi-Fi経由での遠隔操縦、屋内自動航行、リアルタイム映像伝送、自動給電が可能な「Skydio Dock」。

 現在使用されている点検表に基づき、自動飛行経路を発電所フロアごと(3フロア)に設計・構築。有事の際に発電所内全域フロアの状況を把握するための自動飛行経路や、飛行経路に沿った発電所内のWi-Fi環境を設計・構築した。また、職員への運用マニュアル作成、現地での運用レクチャーを実施している。

発電所内設備点検ドローンシステム構成イメージ
Skydio Dock
自動飛行中の操縦者画面

水力発電所屋外の水圧鉄管設備への点検ドローン導入・運用支援

 水力発電所の屋外設備である⽔圧鉄管の設備点検を⽉1回実施しているが、高さが200~300mあり、1回の点検に半⽇程度を要するなど人的負担が⼤きく、また、⽼朽化による漏⽔や落⽯なども発⽣している。迅速かつ正確な状況把握を行うため、設備点検ドローンの導入、運用支援を実施している。

 使用機体は、4G(LTE)制御が可能で高精度カメラを搭載する「ANAFI Ai」。県内5か所の水力発電所の水圧鉄管に沿った自動飛行経路を設計・構築、職員へのドローン講習提供や目視外飛行を前提とした飛行申請支援、運用マニュアル作成ならびに運用レクチャーを実施している。

ANAFI Ai
自動設備点検飛行中の操縦者画面

【各社役割】

NTT東日本 山梨支店・本業務のプロジェクトマネジメント
・ネットワーク環境の策定・構築
NTTイードローン・ドローン機体の提供
・ドローンの自動飛行経路の設計・構築
・山梨県企業局職員自らが運用するためのドローン講習、運用方法の策定・レクチャーの実施