2024年3月3日、藤成測量は、スカイブリッジ、JDRONE、アイエイチプランニング、サイエンツアーツと合同で、渡良瀬遊水地の大規模ヨシ焼きの残火確認を実施した。

 栃木市ならびに隣接する6自治体、国土交通省、消防関係者と共に、ドローン、位置映像共有システム、トランシーバーアプリ、通信衛星などの先端テクノロジーを活用した大規模の残火確認となった。

 栃木県の南端に位置し、栃木・群馬・埼玉・茨城の4県にまたがる渡良瀬遊水地は、面積33km²、総貯水容量2億m³を有する国内最大の遊水地だ。遊水地の樹林化防止や希少植物の保全、農作物に被害を及ぼす病害虫の駆除、野火の防止、良質なヨシの生育を目的に毎年ヨシ焼きを実施している。

 面積が広大なため、これまでは高台からの目視では小火の確認ができず、確実に鎮火するため翌日朝方まで残火確認を行うこともあったという。

 今回はドローン4台を活用し、各離着陸地点を設定。ドローンに搭載する高画質カメラで可視化、赤外線カメラで小火の情報を取得し、リアルタイムで位置・映像情報を管理本部で確認できるシステムを構築した。また、トランシーバーアプリ(BuddyCom)を使い、地上の消防関係者や消防団とドローンチームが連携。通信環境が万全ではない地点では、SpaceX社のスターリンク(衛星通信)を設置して映像伝送を行った。

 ドローンオペレーションシステムを活用したことで、広大な渡良瀬遊水地内において最終的に30カ所を超える残火対応を管理し、7カ所の残火場所の位置情報を消防関係者に共有した。

前回2023年3月のヨシ焼き残火確認の様子