共和製作所、ドローン用「電源ケーブル入り強化アラミド繊維ロープ」発売

　2024年2月2日、共和製作所は、名備運輸、APPTUNE TRADEと共同で、ドローン用「電源ケーブル入り強化アラミド繊維ロープ」を開発したことを発表した。一般販売は2024年3月25日を予定。販売価格は10mあたり22万円（税抜）。

　金属ワイヤーに比べて軽量かつ破れにくい特性を備えたロープで、物資を運搬、物件投下するドローンに搭載する。高齢化が進むなか深刻な課題となっている林業従事者の苗木運搬作業をきっかけに開発されたもので、林業だけでなく災害時の救助や物資の運搬にも活用が期待される。

電源ケーブル入り強化アラミド繊維ロープ

ロープの使用イメージ（苗木運搬の場合）

　ドローンを起動し、上空数メートルの高さでホバリング（空中停止）させる。ウィンチ（ロープを巻き上げる装置）からロープを垂れ下げ、ロープ先端の電動開閉フックに苗木を取り付ける。ウィンチを巻き上げてロープを短くし、植林を行う目的地まで移動。目的地に着いたら上空でホバリングし、ロープを下げてフックを開き苗木を降ろす。

植林の苗木を運ぶ実証実験の様子（長野県下伊那郡平谷村）

ドローン用ウィンチ

産業用ドローン「Carry MD1」

　通常のドローン用のロープは、荷物を吊るす（荷吊用）ロープと電源用ケーブルが別々になっている。そのため、フックの開閉専用に電源と受信機の設置や、電源ケーブル用のウィンチが追加で必要になる。また、荷物を吊るすロープと電源用のケーブルを、それぞれ別のウィンチで巻き取る操作が必要になる。

　電源ケーブル入り強化アラミド繊維ロープは2本のロープが一本化されるため、軽量化により飛行時間の延長とペイロードの増加が可能。システムの一本化により、フックの誤動作や混信のリスクを低減し、より効率的で確実な物件投下作業が行える。

　荷物を運ぶ際、通常は金属製のワイヤーや樹脂ロープが使用されるケースが多いが、金属製ワイヤーは重く、樹脂ロープは破断の恐れがある。安全性を保ちながら重量の問題を解決するため、極軽量なアラミドを採用し、軽量化を実現した。アラミド繊維は、極軽量、高強度、非導電、耐熱、耐切創、低伸度、耐疲労などの特性があり、軽量化と植林の苗木を下ろす際の安全性に寄与する。

電源ケーブル入り強化アラミド繊維ロープの先端

ロープの構成

アラミド繊維