2023年4月18日、エイトノットは、自社開発の自律航行システム「エイトノット AI CAPTAIN」を用いた自律航行船の実証実験を、2023年4月14日に大阪・咲洲の複合商業施設ATCで実施されたイベント「ATC OSAKA MIRAI EXPO」の中で実施したことを発表した。

 大阪産業局が運営する「IoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム」を活用して実施したものであり、また、堺市によるサイクリングと舟運を掛け合わせた「サイクルシップ実証実験」の一環でもある。堺市内から走行してきた自転車を自律航行船に乗せて舞洲まで渡ることで、咲洲を起点とした「サイクルシップ」の可能性を検証し、広域的な自転車周遊や新たなサイクルツーリズム創出につなげることを目的としている。

 大阪湾の咲洲、舞洲、夢洲エリアにおける自律航行船の運航時の安全性の実証を行うことで、大阪・関西万博会場となる夢洲を含む大阪ベイエリア活性化に向けた自律航行船の活用可能性の検証を行う。なお、実施日時点では夢洲への上陸が認められていないため、今回は隣接する舞洲を目的地とした。

 また、サイクリングと舟運を掛け合わせることによる、咲洲(ATC)を起点とした、大阪ベイエリアから堺、さらには泉州・南大阪へとつながる広域的な自転車周遊、新たなサイクルツーリズムの可能性等についての検証を行う。

<実施行程>
1. 堺市役所前を自転車で出発((仮称)大和川サイクルラインを走行)
2. ATCから自律航行船に自転車を乗せて舞洲へ移動
3. 舞洲でサイクリングや周辺施設の周遊等を実施
4. 舞洲から自律航行船に自転車を乗せてATCへ戻る
※実証実験当日の天候状況を踏まえ、上記4については中止とした。

実施ルート

 実証実験では、大阪湾の咲洲、舞洲、夢洲エリアにおいて、自律航行船により約6km(咲洲~舞洲間)を安全に航行することができた。大阪・関西万博会場となる夢洲を含む大阪ベイエリア活性化に向けて自律航行船の活用可能性があることを確認した(大阪海上保安監部からの指導により、一部区間は自律航行機能を用いず手動で操船した)。

 実証実験に参加した堺市職員は「自律航行の安全性やEV船の静粛性を実感できた。自律航行船が、『移動手段』を非日常が体感できる新たな『アクティビティー』に変えていくような、大きな可能性を感じた」とコメントしており、大阪における広域的な自転車周遊や新たなサイクルツーリズム創出に向けて、自律航行船の活用可能性を確認した。