2023年3月23日、日本化薬は、同社が開発する産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」を搭載したドローンが、日本初の第一種型式認証を取得したことを発表した。

 航空法等の一部を改正する法律が2022年12月5日に施行され、ドローンの型式認証制度(※)が開始された。ドローンメーカーのACSLは、日本化薬の産業用ドローン向け緊急パラシュートシステムPARASAFEを搭載した機体で型式認証プロセスを開始し、2023年3月13日に第一種型式認証を取得した。

 この機体はレベル4飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)が可能になることで、より利活用の場面が拡大すると期待されている。パラシュート装置を搭載することで、社会実装される地域での安心安全なドローン運用が可能となる。

 日本化薬はACSLと共に、第一種型式認証の取得に向けたさまざまな実験を実施。実験を通してパラシュート装置を数多く作動させ、その有効性を確認したという。

※ 型式認証制度:国土交通省が航空法に基づき、特定飛行に資することを目的とする型式の無人航空機の強度、構造、性能について、設計および製造過程が安全基準および均一性基準に適合するか検査し、安全性と均一性を確保するための認証制度。

パラシュート装置を搭載した機体の第一種型式認証取得に向けた共同実験の様子

産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」

 ドローンの落下時等に、火工品を作動させることにより瞬時にパラシュートを展開し、安全にドローンを降下させる装置。日本化薬では、エアバッグ用インフレータやシートベルト用ガス発生装置等の自動車用安全部品の開発・製造・販売をグローバルで展開しており、そこで培った火工品技術を応用してPARASAFEを開発した。現在、最大離陸総重量25kgまでの産業用ドローンに対応した「PS CA12-01」を販売している。