ACSLは、2022年12月に開始された無人航空機(ドローン)の型式認証制度において、2023年3月13日、第一種型式認証書を日本で初めて取得したことを同日発表した。同社は2023年3月末までにレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)を実施するため、型式認証を取得したACSL式PF2-CAT3型の第一種機体認証申請を進めるとしている。

第一種型式認証を取得した「PF2-CAT3」

 型式認証とは、国土交通省が航空法に基づき、特定飛行に資することを目的とする型式のドローンの強度、構造・性能について、設計・製造過程が安全基準・均一性基準に適合するか検査し、安全性と均一性を確保する制度。
 機体認証は、特定飛行を行うことを目的とするドローンの強度、構造・性能について、設計、製造過程・現状が安全基準に適合するか検査し、安全性を確保する制度となる。

 型式認証は機体の設計者と国土交通省間で型式ごとに検査を行い、機体認証ではドローンの使用者と国土交通省間で機体ごとに検査を行う。
 いずれも立入管理措置を講ずることなく行う特定飛行を目的とした機体を第一種、立入管理措置を講じた上で行う特定飛行を目的とした機体を第二種としている。

 なお、型式認証を受けた型式のドローンは、機体認証の検査の全部または一部が省略される。

第一種型式認証取得のための試験の様子

代表取締役社長 鷲谷聡之氏のコメント

 本日、日本で初めて、第一種型式認証書を国土交通省様から交付いただきました。

 昨年12月5日に制度が開始して以来、国土交通省様やあらゆる関係者の皆様にサポートいただきながら、レベル4対応機体の安全性や均一性を証明するための検査や試験を社員一丸となって進めてきた成果といえます。

 レベル4飛行においては、生活者の上空を飛行することを想定した機体開発が必要となり、今まで以上に安全な機体であることが求められます。PF2-CAT3は、あらゆる環境や条件での試験を実施し、航空法に基づく安全基準及び均一性基準に適合したと判定いただきました。

 ACSLは、新たな市場を創っていくこと、そしてドローン業界をリードしていくことが使命であると考えています。日本初の第一種型式認証書を取得したことにより、今後ドローンがますます生活者に身近なものとして社会実装されていくことを、推進していきたいと考えています。

 そして、社会インフラに革命を起こし、重労働で危険な業務を無人化していくという目標を実現するため、これからも安全、安心なドローンを開発し提供してまいります。

PF2-CAT3

項目概要
機種名PF2-CAT3
外寸1,174mm×1,068mm×601mm(プロペラ含む)
重量機体:5.5kg
バッテリー:3.3kg
最大ペイロード:1.0kg
最大離陸重量:9.8kg
最高速度水平:10m/s(36km/h)
上昇:3m/s
下降:2m/s
最大航続時間最低離陸重量時:20分
最大離陸重量時:17.5分
補助安全装置日本化薬社製パラシュート
PF2-CAT3
パラシュートが開いた様子(提供:日本化薬)