2022年4月19日、住まいあんしん倶楽部は、千葉県市原市と「災害時における無人航空機による活動協力に関する協定」を締結した。地震被害や風水害、その他の災害が発生した場合または発生する恐れがある場合に、ドローンを活用して被災状況を把握する。

市原市長の小出譲治氏(左)と、住まいあんしん俱楽部代表の後藤仁彰氏(右)。

 市原市は、臨海部に京葉工業地帯があり、日本最大数の石油化学プラントなどが立地する工業都市である。近年の災害により同市は、2011年3月に東日本大震災の際にコスモ石油千葉製油所で火災・爆発が発生、また2019年の台風15号でも同市を中心として大規模に被災した。
 日本全国で防災意識は高まっており、同市も今後、災害・防災に関して積極的に対策を講じていかなければならないことから、今回の災害協定締結に至ったという。

2019年の台風15号による被害。

 この協定により、ドローンによる初動情報の収集活動によって得られる画像(動画を含む)情報の提供、ドローンに搭載するスピーカーを用いた空中放送、その他災害時等において必要と認められる活動の協力を行う。

 災害によって市原市内で被害が発生した場合、同市が住まいあんしん倶楽部に協力要請することで、同社操縦士が同社所有のドローンを使い被災状況の調査を行う。また、同社が運営するドローンスクールの受講卒業生や、有資格者ドローンパイロットへの要請も同時に行う。
 ドローンを活用することで、橋梁や高所、河川の上など人が立ち入ることができない危険な場所の調査が可能となる。また、大震災等の災害時には、区内全域で甚大な被害が予想される。多数のドローンによる被災状況調査によって、円滑な被害規模の把握につなげる。
 避難経路の確認や遭難者の捜索のほか、ドローンにスピーカーを搭載して空中放送を行い、避難誘導等を実施する。

 今後両者は災害時に備え、平時の際から防災訓練などを定期的に行い、有事の際に迅速に対応できるような支援体制を構築する。また、同社は市原市職員向けに操縦訓練を実施していくとしている。