2022年3月31日、KDDIは、東京都と「災害時における無人航空機を活用した物資の輸送等に関する協定」を締結したことを発表した。東京都において災害が発生した際に、KDDIのスマートドローンを活用して緊急物資の輸送などを行い、災害地域を支援する。

 スマートドローンはKDDIの携帯通信ネットワークに対応したドローンで、4G LTEなどのモバイル通信で機体を遠隔制御し、安全な長距離飛行を実現する。

物資輸送時に使用するドローン(プロドローン製「PD6B-Type3C」)

 東京都奥多摩地域では、2019年10月に発生した台風19号の際に都道が崩落し、一部地域で交通が遮断され、集落の孤立が発生した。これを教訓に東京都では、将来的な災害に備えるため、ドローンによる物資搬送の実証実験を実施してきた。

 KDDIは2020年11月、東京都から受託した「ドローンを活用した物資搬送のための調査・検証事業」において、災害時を想定した孤立地域へのドローン緊急物資搬送の実証実験を奥多摩町などで実施。KDDIのモバイル通信と運行管理システムによる目視外でのドローン自律飛行を実現し、東京都災害対策本部などからリアルタイムで遠隔監視できることを確認している。

【協定の内容】
1. 東京都は、被災自治体の状況を踏まえKDDIへドローンによる物資輸送の要請を行う。
2. KDDIは、物資の輸送可否を判断するため、被災状況の把握を行う。
3. 2を踏まえ、孤立地域などへドローンを活用し物資輸送を行う。

協定による支援協力の流れ

 物資輸送時にはKDDIのスマートドローンを活用し、モバイル通信を用いた遠隔監視・制御により、ドローンの目視外自律飛行を実施する。目視外自律飛行を安全に実現するため、ドローンの飛行状況のリアルタイム監視や、緊急着陸といった遠隔操作などが行える。
 使用するドローンはプロドローン製「PD6B-Type3C」。2020年度の実証実験時に使用していた機体を使用する予定である。

スマートドローンの活用イメージ
プロドローン製「PD6B-Type3C」
サイズ1,625mm(モーター軸間距離)
重量12Kg(バッテリーを除く)
最大積載量最大30Kg
飛行時間28分(ペイロード無し)