プロドローンは、2022年2月18日、中日本航空と共に、愛知県豊田市にある藤岡ヘリポートの敷地内で、消防庁消防大学校 消防研究センターの災害時を想定した夜間測量検証フライトを実施したことを2022年4月21日に発表した。

 日中と夜間にUAVレーザ測量を行い、UAVレーザより得られる点群データの精度検証を行うことが目的。飛行高度、飛行速度、地形などの条件を変更しながらデータを取得し、中日本航空の現場解析ソフトにより、計測終了後20分程度で点群データと地形図を作成した。

ドローンに搭載した測量機を設定する様子。
使用機体「PD6B-Type3」
日中・夜間測量中のGCS(機体の飛行経路や運行管理などを確認できるデバイス)画面。
日中測量データ(消防研究センター提供)。DSMは、地盤(地形)と、その上にある建物や樹木などの地物を合わせた表層面を数値標高モデル化したもの。SDEMは、中日本航空の独自技術により植生下の地表面を鮮明化したモデル。
夜間測量データ(消防研究センター提供)

消防研究センター 技術研究部地震等災害研究室 主任研究官 土志田博士 コメント

 検証時には色々なトラブルが発生しましたが、最終的には非常に良いデータが取れました。夜間飛行で取得されたデータは想定通りで、夜間でもこの精度のデータが取れるということを実証できたことは、素晴らしい成果です。

 土砂災害現場での救助活動において、活動が困難となる夜間時にデータを取得することで、迅速性・安全性を高めることができます。本検証をもとに、現場で必要となる運用のしやすさや、解析処理の高速度化などを今後目指していきます。

 また、プロドローン機体を選定した理由としては大きく2つあります。1つは、大型の3Dスキャナを搭載する必要があることから、十分なペイロードが確保できる機体を必要としていました。もう1つは、無人航空機に関するセキュリティ上のリスク(政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針について [令和2年9月14日・関係省庁申合せ] 参照)に対し、高いセキュリティが設定されていることでした。

 ドローンを消防で利活用するためには、運用のしやすさは重要なポイントです。今後PRODRONEには、自動航行のセッティングなどがより簡単になることや、消防での運用(不定期運用)に即した、運用アドバイスなどのサービス拡充を期待しています。