2022年4月1日、イームズロボティクスは「リモートID送信機」と「リモートID受信機」の2機種の販売を発表した。販売価格はいずれもオープン価格。

 送信機は、2022年6月20日から施行されるリモートID制度に準拠した国産品で、軽量・防水・防塵に加え、最大1,500mの送信距離を有している。また、警察・警備会社向けに、リモートID専用の受信機の開発・販売も行う。

 新たに航空法で定められたドローンの機体登録制度では、有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4)に関わる法整備の一環として、100g以上の全ての無人航空機に対して登録記号(ID情報)を発信する仕組み「リモートID」の搭載が義務付けられる。

イームズロボティクス社製「リモートID送信機」。
イームズロボティクス社製「リモートID受信機」。

リモートID送信機

 外寸60×30×22mm、重さ33gとコンパクトな設計で、約120mmのリード型アンテナを装備している。通信はBluetooth5.0を採用し、最長1,500m先にも電波を飛ばすことができる(見通しの良い環境での実施、同社試験による)。一般的なドローン運用において、ドローン本体との通信に影響がないことを確認している。

リモートIDを受信したスマートフォン(1500m地点での受信)。

 2色のコンディションLEDにより、バッテリー残量やGPS/GNSSの取得状況などを確認できる。バッテリーの充電にはUSB(タイプC)ケーブルを使用し、約1時間の充電で、8時間以上の連続稼働が可能だ。

 本体へのID書き込みは、本体スイッチを押して「リモートID書き込みモード」に切り替え、専用アプリケーションを使って行う。

コンディションLED。
スマートフォンアプリからBluetoothでIDを書き込む。

 ドローンへの取り付けは、強力な両面テープやネジを使って固定する。衛星を受信しやすくするため、なるべく天面に装着することを推奨している。キャノピー内部に取り付けても電波の出力に大きな影響はないという。

 防水・防塵性能(IP54相当)を備え、農薬散布ドローンなど屋外で飛行させるドローンやラジコンヘリなどの搭載にも対応。そのほか、落下や振動をはじめとした車載性能レベルの試験を行い、信頼性を確保している。

 リモートID送信機は電源とGPS/GNSSアンテナが独立しているため、万一、機体を紛失(ロスト)した場合、捜索などに活用できる。

リモートIDの取り付けイメージ。アンテナを立てると、より遠くまで電波が届く。
高い防水・防塵性能。

リモートID受信機

 リモートIDの電波を受ける専用受信機。リモートIDにおける一般的な通信規格であるBluetooth5.0のほか、Wi-Fi Aware、Wi-Fi Beaconの電波も受信可能。主に警察や警備会社などの重要施設の警備事業者や、ドローンメーカーなどに販売する。

リモートIDソリューション

 受信機で得た情報は、イームズロボティクスが提供するクラウドサービスと連携し、飛行中のドローンの種別判定や過去の飛行データログを抽出することで、地図上に飛行経路を反映。警備や調査などにも活用できる。

クラウドサービスにより飛行ログなどの情報を一元管理。
ドローンごとの識別や飛行ログを把握。