2022年2月16日、トルビズオンは、西日本高速道路 九州支社(以下、NEXCO西日本)、笹川工建、多久市まちづくり協議会、多久市の協力のもと、長崎自動車道多久西PA下り線近隣を拠点に、ドローンを活用したフードデリバリー等に関する実証実験を実施したことを発表した。

 佐賀県の中央に位置する多久市は、長崎自動車道多久インターチェンジがあり交通の便がよい一方で、人口が流出し過疎化が進んでいる。そうした中、同市は2020年よりトルビズオンが提供する上空シェアリングサービス「ソラシェア」(地権者が空の利用に合意をすることができるプラットホーム)により、ドローンの空路を町中に張り巡らせるプロジェクトに取り組んでいる。物流の人手不足や一次産業の担い手不足等の社会課題を解決することを目的に、ドローンの利活用を推進するために「空の町おこし」を進めているという。

 トルビズオンは多久市や多久市まちづくり協議会と共同で、同市内に“空の道”を敷設し、2022年2月11日、高速道路PA近隣とドローン空路をつなぎ、ドローンによるPA配送の実験を行った。

【実験内容】
① 多久みかんの産地である梅野地区から多久西PAへ、ドローンによる農産物品の補充
② ドローンによるフードデリバリーサービスの検証(多久西PAより、モテナス店舗のからあげ弁当を搬送)
③ 公民館近くの公園から梅野地区へ防災食のドローン配送訓練
④ ソラシェアを活用したドローン航行に対する社会受容確保

 離発着便数は計3便、マルチコプター型ドローン「DJI M300」を活用した。搬送重量は1.5kg、搬送距離は合計約6kmとなった。

配送ルート(ドローン飛行離発着場所:多久市梅野地区、多久西PA周辺のドローンポート、西渓公園)
実証実験で使用した機体「DJI M300」(左)、多久市まちづくり協議会のメンバー(右)
モテナス店舗に補充されるみかん(左)、配送された唐揚げ弁当(中)、防災食空輸訓練(右)