2021年11月19日、KDDIは、富山県南砺市(なんとし)平(たいら)地域で、11月25日にドローン物資搬送の実証実験を実施することを発表した。

 同実証実験は、富山県からの業務委託を受けて「富山県中山間地域ドローン物流実証実験業務」の一環として行うもの。モバイル通信を使用して目視外の自律飛行を実現する同社のスマートドローンを活用し、富山県の中山間地域に適した物流の仕組みやビジネスモデルについて検討する。

実証実験イメージ

 富山県の中山間地域では、急速な人口減少に伴って集落の空洞化や生活を支えるサービスが衰退している。特に、公共交通機関の縮小・撤退や、地域の卸売業・小売業者の減少により、将来的に日常生活を営む上で必要となる買い物が困難になるおそれがあるという。

 同実証実験では買い物困難者への日用品や食料品の配送を想定し、ドローンの目視外自律飛行により、片道8km程度の飛行および、最大3kgの物資搬送を実証する。また、その結果を踏まえて富山県とドローンを利活用したビジネスモデルの検討を行い、地元企業の活性化や住民のコミュニケーション活性化を推進するとしている。

実証実験の概要

<実施内容>

1. 富山県南砺市平地域の下梨地区から祖山地区へのドローンの飛行ルート設定および離発着地を選定。
2. ドローン飛行前の電波環境や支障物などの環境を調査。
3. ドローンの目視外自律飛行と遠隔監視により生活日用品などを配送。
4. 実証実験で得られた成果をもとに、ドローン物流を実用化した際の課題および仕組みなどについて報告する。

同実証実験で使用するスマートドローンプラットフォームは、モバイル通信を用いた遠隔監視・制御により、ドローンの目視外自律飛行を実現する。ドローンの飛行状況のリアルタイム監視や、緊急着陸といった遠隔操作などを行うことができる。

<使用するドローン>

プロドローン製「PD6B Type3C」
サイズ1,625mm(モーター軸間距離)
重量12kg(バッテリーを除く)
最大積載量最大30kg
飛行時間28分(ペイロード無し)