2021年7月29日、エアロセンスは、同社の有線ドローンシステム「エアロボオンエア(Aerobo on Air)」が、アクティオ等コンソーシアムによる無人化施工の現場において、建設機械オペレーションに必要な映像制作機材として活用されたことを発表した。

 エアロボオンエアは、有線による長時間飛行や映像伝送という特徴から、これまでライブ放送現場などに使われてきたが、今回、無人化施工現場の中継という新たな活用法が示された。

 無人化施工現場では、建設機械に直接人が乗ることなく遠隔地から操作する際、建設機械の動きや現場の周囲環境を確認するのが難しいことが課題となっていた。エアロボオンエアは、独自開発の複合ケーブルにより安定した長時間飛行や柔軟な映像範囲の調整が可能なため、遠隔地にいるオペレーターは建設機械を含む周囲の環境を確認することができる。

遠隔操作されている2つの建設機械をエアロボオンエアの映像で確認

 無人化施工の現場では直接現場を見ることができないため、建設機械同士の距離間やどこに建設機械を動かすべきかの判断が難しくなる。また、安全な施工をするため、建設機械が動いている間は常に周囲環境の映像を建設機械オペレーターに届ける必要がある。エアロボオンエアは、複合ケーブルから給電を行うため長時間飛行することができ、複合ケーブルを通して飛行制御も行うため、無線通信が飛び交う無人化施工現場でも安定した飛行が可能である。

 また、固定カメラを高い位置に据え置くことは難しいため、建設機械を全て映像に収めるには複数のカメラが必要となる。しかし、複数の映像では全体の様子を一度に把握することができず、どの映像を見ればよいか分かりにくいという課題があった。エアロボオンエアは建設機械の動きにあわせて飛行高度を調整し、広い範囲を撮影することができる(最大飛行高度90m)。カメラは30倍までズームが可能。

 今回は、現場の映像を通信ネットワーク経由でリアルタイム配信し、低遅延・非圧縮の空撮映像を遠隔地でも確認できるようにした。これによりコロナ禍においても、本社と現場で同じ映像を共有することでコミュニケーションを密にとることができ、現場の進捗管理の円滑化を図ることができた。エアロセンスは、今後も無人化施工現場の安全、生産性向上に貢献していくとしている。

エアロボオンエア
エアロボオンエアの映像遠隔伝送システム(一例)