空解(くうかい)は、2021年7月17日、千葉県銚子市学校給食センターから茨城県稲敷郡河内町の「ドローンフィールドKAWACHI」まで、利根川上空を飛行コースに設定した目視外飛行(レベル3)・フルオートによる長距離飛行実験を実施し、成功したことを2021年7月19日に発表した。飛行距離は62km、飛行時間は50分。

 医療物資や災害時救援物資の長距離・非接触・保冷輸送を想定し、自社開発の電動VTOL(垂直離着陸型)固定翼ドローン2機を活用。1号機は保冷温度5度以下でのワクチン(ダミー)輸送で、周回含めて70kmのコースを設定。2号機はモバイルバッテリー、アルコール、マスク、ビタミン剤などを輸送する62kmのコースを設定した。

 1号機は離陸直後に通信系のトラブルが発生し、安全のため飛行を中止。2号機は飛行プログラム通りに62kmの目視外フルオート飛行を実施し、着陸地点では安定した垂直着陸を行った。飛行距離は62km、飛行時間は50分。飛行後のログ解析によると、上空は時折風速10m/s程の横風が吹いていたが、動力バッテリーの消費量は約半分と、あと45kmは飛行が可能な状態であった。

 今回の実験により、軽量な機体がもたらす高効率な飛行性能を実証。また、ドコモLTE通信モジュールによるリアルタイムの位置情報モニタリングも終始良好で、フルオートの飛行安全性も実証した。

飛行区間
千葉県銚子市学校給食センター〜茨城県稲敷郡河内町「ドローンフィールドKAWACHI」62km(周回含む)

運搬物資
モバイルバッテリー2個、アルコール小4本、マスク20枚、ビタミン剤1個 約1kg

使用機体
日本製、自社設計の高性能電動VTOLドローン「QUKAI FUSION」。離着陸は垂直上昇、垂直下降で行えるため、滑走路は不要。マルチコプター型ドローンの課題であった貨物輸送の飛行距離(現状4km~8km程度)を大幅に改善した。軽量化にこだわり、安定した飛行性能と長距離飛行を実現している。使用用途によりカスタマイズも可能。
2022年以降のレベル4(市街地上空の目視外自動飛行)許可に向けて、非接触、低炭素排出による安全で簡単な輸送を目指す。

全長:1,475mm
全幅:2,100mm
貨物最大積載重量:2.5kg
最大航続距離:120km
最高速度:120km/h

特別協力:Team ArduPilot Japan
通信機器提供:N T Tドコモ
協力:アイ・ロボティクス

企業コメント

 私たちは、ドローンで空を最適解するイノベーションカンパニー。もっと安全で便利な社会をつくるために。人々をもっと幸せにするために。常に革新的なドローンソリューションを社会実装していく。空は人類の希望が溢れていると信じているから。

 僻地や被災地へ物資輸送。超高齢化社会、移動弱者のQOL向上。WITHコロナ時代の非接触型。人の移動を減らし、温室効果ガス排出削減。ドローンは持続可能な社会を作るための重要なソリューション。だからこそ、本当に使える高性能なドローンをリーズナブルな価格で提供していかなければならない。社会実装のスピードを最速にするために。

 ラジコン飛行機の世界的なトップパイロットとトップエンジニアが集結して、性能と価格と安全性と専門性を突きつめた画期的な産業ドローンを次々とリリースするベンチャーです。最終目標は世界最速「空飛ぶクルマ」の開発。どうぞご期待ください。