2021年6月2日、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、同月からエアロセンスと共同で、固定翼ドローンとAIを活用した水災時の損害調査を開始すると発表した。
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は「令和2年7月 熊本豪雨」から、ドローンとAIを活用した水災損害調査を導入。広域に被災した家屋の浸水高を測定し、損害額を算出することで、迅速な保険金の支払いや非対面での損害調査を実現している。
一方、被災地域が広範囲におよぶと、従来のマルチコプター型ドローンによる撮影では一定の時間を要すことが課題となっていた。1回のフライトで長時間の飛行・撮影が可能なエアロセンスの垂直離着陸型固定翼ドローン(エアロボウイング)を導入することで、損害調査体制を強化する。
損害調査の概要
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、水災が発生した際、ドローンとAI流体解析アルゴリズムを活用してデータ分析を行い、浸水高を測定する損害調査手法を導入している。
ドローン等で撮影した画像をもとに水災被害地域の高精度な地表3Dモデルを作成。地図上で水量や水の流れを解析し、浸水状況の正確なシミュレーションを行うAI流体解析アルゴリズム(アリスマー社)を活用してデータを分析し、浸水高を算出する。立会調査をせずに損害額を計算できるため、早期に保険金を支払うことが可能である。
エアロボウイングを活用することで、従来型ドローンと比較して1フライトで長時間の撮影が可能となり、短期間で被災地域の撮影が完了する。例えば、極めて広範囲な被災が見込まれる荒川が氾濫した場合、従来型ドローンでは1ヶ月以上の撮影期間を要するところ、数日程度で撮影を終えることができるという。