2021年1月21日、福島ロボットテストフィールド(以下RTF)は、2020年11月13日(金)、14日(土)に開催された「福島ロボットテストフィールド開所記念フォーラム2020」の視察ツアーの様子や各セッションの録画映像を公式YouTubeチャンネルで公開した。また、参加者からの声もレポートとしてまとめている。

視察ツアー(前日行事)

 フォーラムの前日行事として、RTFをバス・徒歩にてまわる視察ツアーが実施され、主要な複数の施設ではドローン・ロボットを実際に用いたデモの実施が行われた。

【開発基盤エリア】研究棟
【無人航空機エリア】緩衝ネット付飛行場(デモ実施:ロボデックス)・風洞棟(デモ実施:東光鉄工株)
【水中・水上ロボットエリア】屋内水槽試験棟(デモ実施:日本海洋)
【インフラ点検・災害対応エリア】試験用プラント・試験用トンネル・試験用橋梁(デモ実施:JDRONE)・市街地フィールド

▼RTF視察ツアー実施レポート
https://www.fipo.or.jp/robot/wp-content/uploads/2021/01/RTF%E8%A6%96%E5%AF%9F%E3%83%84%E3%82%A2%E3%83%BC%E5%AE%9F%E6%96%BD%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88.pdf

RTF開所記念フォーラム2020 視察ツアー ダイジェスト動画

基調講演『空飛ぶクルマの開発とRTF活用』

 SkyDriveは福島ロボットテストフィールド研究棟の第2期の入居者として、2019年から施設を活用して機体の研究開発を進めている。2020年8月25日には拠点の一つである豊田テストフィールドで世界初公開した有人試作機「SD-03」の公開有人飛行試験を実現し、同社が目指す2023年の空飛ぶクルマの実用化に向けて大きな一歩を踏み出している。
 基調講演では同社代表取締役の福澤氏が、空飛ぶクルマの開発と有人飛行の話を交えながら、屋外で実証ができる場の意義について話をする。

SkyDrive 代表取締役 福澤知浩氏

トークセッション

A-1『世界に活躍する空のテクノロジーを日本から』

 世界各地で空飛ぶクルマ、業務用ドローンの開発が進んでいる。日進月歩で技術が進歩していく一方で、社会実装につなげていく上では、課題を的確に捉えて技術を使いこなせるようにするという視点も重要になる。本セッションでは、国内で独自の技術開発を進める空飛ぶクルマ、業務用ドローンのベンチャー3社により、技術を社会実装するために必要な開発を国内でいかに加速させていくかについて議論する。

登壇者
プロドローン 常務取締役 市原 和雄氏
エアロジーラボ 代表取締役CEO 谷 紳一氏
SkyDrive 代表取締役CEO 福澤 知浩氏
モデレータ
Drone Fund 共同創業者/代表パートナー 大前 創希氏

A-2『いつまで人が大型建造物の建造、保守・点検を担い続けるのか?』

 大型建造物の特徴および現状の建造、保守・点検に不可欠なポイントとは何か。公定検査などの規制があるなかで、大型建造物に対するロボットの実装を円滑に進めるために必要な開発環境、ロードマップについて考える。

登壇者
住友重機械工業 技術研究所ロボティクス技術グループ 衞藤 晴彦氏
會澤高圧コンクリート データ戦略本部長 嘉津山 公一氏
デンソー 社会ソリューション事業推進部 UAVシステム事業室長 村端 秀峰氏
モデレータ
リバネス 知識創業研究センター センター長 岡崎 敬氏

A-3『人とロボットが連携した未来の災害対応とは?』

 迅速な人命救助など人の現場判断が強く求められるにも関わらず、活動に危険を伴う災害現場。人とロボットの連携が重要な現場で、人もロボットもその連携を想定した訓練や開発が求められる。それぞれの強みを生かした連携の形について議論する。

登壇者
ふくしま総合災害対応訓練機構 事務局 杉本 靖氏
ExtraBold 代表取締役 原 雄司氏
テラ・ラボ 代表取締役 松浦 孝英氏
モデレータ
エアロダインジャパン 代表取締役社長 伊藤 英氏

B-1『過酷な環境下で求められるロボット作業とは?』

 今でも人が苦役を虐げられながら作業をせざるをえない過酷な環境が存在する。廃炉のように人が立ち入りが制限された環境もその一つである。人を代替し、特色ある作業ロボットの開発環境とRTFの果たす役割について議論する。さらに、そのような技術は、廃炉、極限環境、宇宙開発への発展が期待され、RTFから様々な世界へと広がる産業について未来を語る。

登壇者
ボールウェーブ 代表取締役社長 赤尾 慎吾氏
メルティンMMI 代表取締役 粕谷 昌宏氏
人機一体 代表取締役社長 金岡博士
モデレータ
リバネス 投資育成研究センター長 大坂 吉伸氏

B-2『新たな技術の導入で、農業を取り戻せるか?』

 福島県は、自然環境に恵まれ、多様で豊かな農作物の生産量をほこる。地理的にも消費地である都市圏に近い。昨今、先端技術の導入による作業の代替が期待されるものの、本格的な農業への活用はまだ道半ばである。また、新規就労者を増やすのは簡単ではない。「福島県の農業」はどのようにして取り戻し、未来を描いていくのか。自治体や民間がそれぞれ果たす役割とは何かについて議論する。

登壇者
銀座農園 代表取締役 飯村 一樹氏
宇都宮大学 准教授 柏嵜 勝 氏
KOBASHI HOLDINGS 代表取締役社長 小橋 正次郎氏
モデレータ
リバネス 代表取締役 グループCEO 丸 幸弘氏

B-3『疎な空間から考える自動運転、自律運転の可能性』

 地域社会における自動運転や自律走行を活用した新しい交通網、自律制御を活かした災害現場での物資輸送や情報収集など、人が少ない空間でこれらの新しい技術がどう生きてくるのか。現在まさに技術開発に取り組むプレイヤーを招いて議論する。

登壇者
自律制御システム研究所 ディレクター 奥村 英樹氏
タジマモーターコーポレーション 執行役員 会長室プロジェクトリーダー 上荒磯 祥彦氏
東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授 鈴木 高宏氏
モデレータ
リバネス 執行役員 高橋 宏之氏

※各セッションの説明は以下サイトより引用した

▼超異分野学会 福島ロボットテストフィールド 開所記念フォーラム2020
https://hic.lne.st/conference/fukushima2020/