2020年3月12日、Liberawareは、千葉県船橋市・西図書館における京セラコミュニケーションシステム(以下 KCCS)の「AI 蔵書点検システム」試験導入に伴い、蔵書点検の無人化を目指し、特殊小型ドローン「IBIS(アイビス)」の自動飛行・撮影と「AI 蔵書点検システム」との連携について検証を実施することを発表した。

図書館における蔵書点検業務の負荷軽減へ

 現状の図書館における蔵書点検は、全資料を専用の機器で1点ずつ読み取り、図書館システム上の蔵書データと照合するため、業務負荷が高い業務となっている。(※1)
 船橋市は、AIの積極的な活用に取り組んでおり、公民館図書室における蔵書点検業務の負荷軽減・効率化を目指し、KCCSと共に船橋市西図書館に「AI蔵書点検システム」の環境を構築し、2020年3月12日から試験導入を開始する。今回、書架一面の撮影には、タブレット端末を用いた手動撮影に加え、Liberawareの特殊小型ドローン「IBIS」による自動撮影を試験的に行い、無人化も目指す。
 多くの自動撮影が可能な自動飛行ドローンは、大きいサイズ(200g以上)のものが多く、図書館内で飛行するサイズとしては、張り紙や本等、設備への影響から現実的ではなかった。無人化にあたり、手のひらサイズの小型ドローン「IBIS」は設備への影響リスクが最小限であることから、共同で検証を行うこととなった。(※2)

(※1)船橋市では、すでに蔵書にICタグ(RFID)を貼付し、図書館においてはRFID読み取り機器を使用した蔵書点検を実施している。しかし各地域の公民館図書室では、蔵書をバーコードで1点ずつ読み取る方法で蔵書点検を行っている。
(※2)KCCSが提供するAI蔵書点検システムと「IBIS」は、現時点では標準でのシステム連携はしていない。

自動巡回型小型ドローン「IBIS」について

 自動巡回型小型ドローン「IBIS」は、あらかじめプログラミングしたルートどおりに自動飛行を行う世界最小クラスの産業用小型ドローンである。同社では、自動巡回型小型ドローンと共に、自動充電装置やドローン監視システム等のハードからソフトまで開発・製造を行い、一気通貫のサービスを提供することで、企業の巡回業務における生産性向上に寄与したいと考えている。屋内警備や設備点検の他、倉庫内における在庫管理業務にも導入検討が進められ、現場の作業員の省人化・省力化に伴いセキュリティ面・安全性の向上や業務の効率化が見込まれ、スマート化された施設設備を実現する。

・サイズ :190×180×50mm(プロペラガード込み)
・重量 :190g(バッテリ込み)
・飛行時間 :最大9分間
・装備類 :自動飛行ユニット、FullHDカメラ、LED照明、防塵用モーター 他

自動巡回型小型ドローン「IBIS」
自動巡回の様子

「AI 蔵書点検システム」について

 「AI 蔵書点検システム」は、KCCSが提供する公共図書館システム「ELCIELO」 と画像解析AIを組み合わせたシステムである。図書館の書架一面を撮影し、撮影した棚の背表紙データと、「ELCIELO」に登録されたその棚の範囲の蔵書データを画像解析AI に取り込み、マッチング分析し、蔵書点検を行う。これにより手作業で1点ずつ点検することなく、棚単位でまとめて蔵書点検を行うことが可能になる。

▼公共図書館システム「ELCIELO」
https://www.kccs.co.jp/ict/service/elcielo/