2019年4月24日、テラドローンは、低コストで効率的な⿂群探索・海上保安を実現する ドローンソリューションの提供を開始したことを発表した。

 同社のドローンソリューションは、漁業や国防をはじめ、様々な分野において活用することができる。そして、これをを活用することで、従来使用してきたヘリコプターを運用する必要がなくなるため、パイロットによる操縦が不要となる。結果として、運用コストの削減、危険性の低減に繋がり、低コストで安全な魚群探索、効率的な海上の安全管理が実現する。AIを活用したデータ処理により、不審船・巡回船など動きのある対象の発見や追尾も可能である。

 これまで、遠洋漁業における魚群探索のために、ヘリコプターが使用されてきた。その方法では、年間およそ5000万円もの運用コストがかかる。しかし同社のソリューションを活用することで、このコストを削減でき、さらにはパイロットの運転に伴う危険性も低減できる。また、ヘリコプターを搭載しない比較的小型な船舶では、魚群の存在有無を確認するために、実際に船を移動させなければならなかった。その結果、燃料と時間の無駄が発生していた。しかし、同社のドローンソリューションを活用することにより、最大50kmにわたる海上をモニタリングすることで、効率良く魚群を発見できる。結果として、最短の移動距離で最大の効果を得ることができる。

 以下、漁業と国防分野における、それぞれの活⽤について説明する。

 現在、海上の保安状況を把握するために、レーダーやAIS(航行中の船舶の位置を追跡するシステム)が使用されている。これらの方法によって探知された不審船などを実際に確認するためには、別途、ヘリコプターや航空機の運用が必要であった。そのため、多額の運⽤コストが発生しており、パイロットの安全面においてもリスクを伴っていた。しかし、同社のドローンソリューションを活用することにより、陸地にいながら最大50km先の現場をライブ映像で確認することができる。結果、運用コストが節減され、より安全で迅速な確認が可能になる。また、AIを活用したデータ処理能力により、不審船・巡回船などをターゲットとして発見し、追跡まですることができる。さらに、IP67 規格の防塵・防⽔性能を備えているため、強風、高湿度、ほこり、潮風などの海上の厳しい環境にも対応可能である。

 同社は、今後も、ドローンソリューションの提供を通じ、漁業における効率化、海上保安における安全性向上の促進に貢献していく、と展望を述べた。