ACSLは、2025年10月1日より、長距離飛行マルチユースドローン「PF4」の量産を開始する。これに伴い、同機体の受注を2025年7月22日に開始する。

写真:長距離飛行マルチユースドローン「PF4」
ペイロード5kg、航続距離40kmといった飛行性能に加えて、ユーザーによるマルチペイロードの交換が可能。

 PF4は、物流用途に適した長距離飛行・安全機能を備えた高性能ドローン。さらに、同機の飛行性能を物流用途以外でも活用できるよう物流機構以外のペイロードの拡充等を行い、利用者自身がニーズに合わせてカスタムできるマルチユースドローンとして量産を開始する。

 なお、PF4はレベル3.5飛行までが適合範囲であり、現在ACSLが第一種型式認証の申請を進めている「ACSL式PF4-CAT3型」とは異なる機種となる。

「PF4」の特徴

 広域でのドローン活用に向けて開発されたマルチコプタードローン。

【耐環境性・長距離飛行】
 最大対気速度25m/sの耐風性能、降雨量10mm/h以下で飛行可能な防水性能(物流用途の場合)を備え、過酷な環境にも対応する。飛行距離は5kgのペイロード搭載で40km、非搭載状態で50km超。

【冗長性による安全機能】
 第一種型式認証で要求される冗長性と同等レベルの機能を保有しており、機体内部の重要機器を二重化している。また、いずれかのモーター1個が故障により使用不可となった場合は、自動で対角のモーターを止めバランスを保ちながら緊急着陸を行う安全機能を備えている。

写真:機体上部

【CLASによる位置補正機能・ホットスワップ対応】
 日本の準天頂衛星システムみちびき(QZSS)によるCLAS(センチメーター級測位補強サービス)を使用。災害・調査など正確な位置情報が必要な場面でも、より安全に離着陸を行う。電源を切らずにバッテリー交換ができるホットスワップに対応。

日本上空のみちびきのイメージ

【多様なペイロード・デュアルSIM対応】
 物流・測量・調査・点検・夜間目視外飛行、それぞれに適合したペイロードの搭載が可能。ペイロードはユーザー自身で交換ができる。幅広いエリアでのオペレーションに対応するため、複数キャリアのLTE通信を同時利用することが可能なオプションも用意している(上空利用SIMは別途通信キャリア会社と契約が必要)。

飛行経路と点群データ

製品情報

製品名PF4
価格オープン価格
寸法アーム展開時:2,265mm×2,493mm×624mm(ローター外形含む)
アーム収納時:1067mm×924mm×624mm
機体重量12.1kg(物流仕様時)
バッテリー20,000mAh×4
機体重量(バッテリー含む)19.4kg(物流仕様時)
最大ペイロード5.5kg(物流仕様時)
最大飛行時間ペイロードなし:70分
最大ペイロード時:50分
最大航続距離ペイロードなし:50km以上
最大ペイロード時:40km
最大伝送距離4km(2.4GHz運用時)
LTE通信圏内にて無制限(LTE運用時)
※障害物や電波干渉がない場合
防水性能10mm/h以下の降雨環境
最大対気速度25m/s
最大飛行速度20m/s
GNSSGPS+QZSS(準天頂衛星みちびき)、CLAS対応
機能ホットスワップ、リモートプロポ、内部機器二重化、フォールトトレランス、複数SIM対応(オプション)
マルチペイロード(例)物流、LiDAR(YellowScan製「Ultra3+」)、赤外線+可視カメラ(VIO)、小型ジンバルカメラ(CX-GB200 等)