ミライト・ワンは通信をはじめとした社会インフラの整備・維持と、ロボットを活用したDXソリューションの提供を行っている。CEATEC 2024では「ドローン」「地上ロボット」「無人芝刈機」といったロボットソリューションを出展した。
Dockの販売から正しい運用までワンストップで提供
ドローンでは離着陸地点となり、自動航行と自動充電をサポートするドローンポート「DJI Dock 2」を展示した。2024年3月に発売され、ほかの事業者でも販売を手掛ける。そんななかでミライト・ワンが差別化として推し進めているのが、活用方法の提案や購入サポートだけでなく、DJI Dock 2の設置、さらには使用開始後の保守点検までワンストップで提供するサービスだ。
じつはドローンポートは傾いている場所には設置できない。これは離着陸の際にポート構造物と機体のローターが接触するなどして、事故が発生するケースを避けるためだ。実際筆者もDJI Dock 2のデモンストレーションを取材した際、地面のわずかな凸凹により生じた傾きを検知したDJI Dock 2が、搭載ドローン「DJI Matrice 3TD」の離陸を拒否する事例を見かけたことがある。
このようにドローンポートはなだらかな地面に設置する必要があるのだが、そうとは知らず、機材だけ購入して設置しようとしたところ、上記のようにうまくドローンが離陸しないというケースが発生しているそうだ。
「ドローンポートを設置するには工事の手配が必要です。不安定な場所に設置するのなら安定して置くための処置をします。ネットワークとの接続工事が必須ですし、電気工事も欠かせません。ドローンポートは買ったらすぐ使えるものではないんです。また、使用を始めたら保守点検も行わないといけません。ドローンの運用に長けている事業者なら対処できるでしょう。しかし今後は、そうではない事業者の方たちがドローンポートを積極的に導入すると考えられます。そこでインフラ整備を得意とする弊社としては、活用の提案・販売だけでなく、強みを生かしてその後の設置工事・保守点検をワンストップで実施できることをアピールしています」(担当者)
ブースには「毎日歩いて行っているゴルフコース内の残置物の確認に使用したい」「自動車のテストコースで走行前に障害物などがないか確認するため、すでにドローンを利用している。これをドローンポートの導入で自動化できないか」といった具体的な事例の相談が持ち込まれたという。いずれも使用頻度が多いことは明らかであり、保守点検の重要性も増す。ミライト・ワンとしてはそのような現場への提案を行っていきたい考えのようだ。
なお、ドローンポートを使用する際には、現状の法規制ではポート周辺に補助者を設置して機体を監視することが必要とされている。そのためミライト・ワンとしては様々なケースを想定して国土交通省航空局に許可・承認申請を提出し、どのような使い方が可能か検討を進めているそうだ。
人の代替えを担う4種類の無人ロボット
地上ロボットは4種類が展示された。このうち「清掃ロボット」「配送ロボット」「配膳ロボット」はエレベーターと連携して移動可能。ロボットとエレベーターが連携する場合、エレベーターの制御盤を調整して階数などを指定できるようにする仕組みが一般的というが、本機の場合は、ロボットの指示を受けて室内に取り付けられているボタンを専用のアダプタで押すというアナログな構造が採用されている。ロボットはエレベーターに乗ることで縦移動も可能になり、活躍のフィールドが広がるわけだ。
もう1台展示されたのが「案内ロボットtemi」。タッチ液晶パネルを上部に設置し、様々な情報を表示することが可能。会社受付に設置される場合、来訪者がtemiに訪問した旨を液晶パネルや音声を通じて入力すると、temiが会議室などに来訪者を引き連れて案内するといった使用方法が想定されている。
無人芝刈機は既存の有人で操縦する芝刈機に、ロボット化システム「HerbF」を装着することでロボット化する仕組み。ゴルフ場のグラウンドキーパーは高齢化が進み、匠の技の継承が課題になっている。HerbFでは芝刈機の位置情報や芝刈りのユニットを動かすモーターなどのデータを通じてベテラングラウンドキーパーの動きを記録し、再現する。人間が作業をしないので、夜間に稼働させることもできる。すでに無人芝刈機は市場投入されている製品があるが、価格帯としては2500~3000万円程度するという。HerbFでは1/3程度の価格を目指して、今後も開発を進めるとしている。
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