11月16~18日の期間、「事業変革を推進するための最新技術とつながる総合展」をコンセプトに、最新のIoT機器や組み込みソフトを対象とした展示会「EdgeTech+2022」がパシフィコ横浜で開催された。半導体デバイス事業を手掛ける立花エレテックは、汎用のドローンを使ったセンシング技術のデモンストレーションを行い、ドローンに関連する独自技術を展示した。
センサー基板を搭載するだけでドローン周辺の各種センシングが可能
立花エレテックは各種センサーチップを搭載できる基板を製造し、あらゆる機器向けに提供している。この基板を市販のドローンに搭載すれば、さまざまなセンシング機能をドローンに追加することができ、顧客の多様なニーズに応えることもできるという。
EdgeTech+2022では、センサー基板を搭載した市販の小型ドローンを実際に飛行させ、センシング技術を体験できるブースを出展していた。
展示された小型ドローンには、人の外見から年齢を予測するセンサー基板が搭載されており、市販ドローンの標準カメラから取得したデータは受け手側のボードで解析処理される。すると、モニター上に映し出されたドローンのカメラ映像に年齢の予測が表示されるといった仕組みだ。市販のドローンはセンサー基板を搭載するのみで、特殊なカスタマイズなどは施していないという。
また、年齢を予測するセンサーのほか、人の骨格を認識するセンサーも搭載されており、モニター上ではカメラに映った人の骨格が線状で表示されていた。そのほか、ドローンのカメラが捉えた画角内の人数をメーターで表す機能や、ドローンのカメラで認識した顔とあらかじめ記録した顔写真の一致率を表す機能を出展した。
担当者は「今回展示したセンシングは一例であり、搭載するセンサーによって風速や加速度、ガス検知、地磁気、温湿度などのデータを取得することが可能になる。利用者がどのような調査や業務にドローンを活用したいかによって、あらゆる提案をしていきたい」と話す。また、「最近では徐々にドローンを使った新規案件の問い合わせも出てきている」という。
手のモーションで遠隔のドローンも操縦できるカメラモジュール
そのほか、立花エレテックは、手の動作で市販のドローンを操縦するためのカメラモジュールと基板を展示した。
独自に設計製造した小型のカメラモジュールは、非接触でロボットなどの機器を操作するためのもので、近赤外線カメラを組み込むことで、被写体との距離を検知するという。カメラに向かって手をかざすと、青色と黄色の点が表示される。青色は重心(手の平)、黄色は指の動きを示しており、手のモーションによってドローンを操縦することが可能だ。
これは、送信機の信号を手のモーションに連動させて発信する仕組みとなっており、送信機に基板を接続し、カメラモジュールを用意するだけで市販のドローンを手のモーションで操縦することが可能になる。近年、ドローンに係らず、医療や工場などで手の動きを使って遠隔から機器を動かしたいというニーズが増えているという。
最後に担当者は「現段階では、ドローンの普及や活用が今後大きく成長する分野か先は読めないが、ドローンを使って何かしたいという顧客に対して、独自の要素技術を提供していきたい」と語った。
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