2022年6月27日、NECは、NTTドコモと共同で、自然災害における消防救助活動の支援を目指した実証実験を実施したことを発表した。ドローンにより撮影した映像をMEC（マルチアクセスエッジコンピューティング）上に配備した移動機向け映像解析技術「FieldAnalyst for Vehicles（以下、FAV）」で解析し、要救助者となる人物を検知することができた。
近年多発する自然災害への対策として、NECは5G、MEC通信環境、FAVを組み合わせた救助活動支援ソリューションを開発。今回の実験は、NECのFAVとNTTドコモの5GおよびMEC通信を組み合わせたソリューションにより、安全安心な社会の実現に向けた知見を広めることを目的としている。
実験は、地震によって被災した住宅地を模擬した建物や瓦礫があるフィールドで実施した。模擬住宅エリアに5～10名を配備して、ドローンによりエリア状況を俯瞰した映像を撮影。その映像を、NTTドコモの5Gを通じてMEC上に構築したFAVで解析し、人物を検知した状態の映像をユーザーにフィードバックするという構成である。
FAVは、撮影した映像から移動する車両や周辺の物体などを自動的に認識し、車両の特徴や移動経路などを分析することで高精度な行動検知を行う。今回の実験では、ドローンによる上空からの映像に対して人物検知を行うといった新たなユースケースとして活用した。
MEC環境には、ドコモのネットワーク網と接続された低遅延で高セキュリティなクラウドサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」を使用。機体は、NTTドコモが提供している自律飛行型ドローン「Skydio2」を利用した。
人物検知は、映像上の輪郭から人と判定された箇所を四角でマーキング表示することで、人のいる場所を特定できる仕組みになっている。なお、本人物検知機能は映像上の輪郭から判定するものであり、顔画像などの個人情報は利用しないという。
