インフラ点検事業、請負・業務支援事業、ソリューション事業、ドローンスクール、機体開発販売事業、保守・整備事業を担い、ドローン産業の幅広い領域をカバーするTEADは、2022年1月発売の新機体「TA408-F」とニックスのオプション装置を展示した。

専用アプリによるサポート機能が充実! 簡単操作で安全な散布を実現

2022年1月発売予定の8Lタンク機となるTA408-F。サイズは1115(L)×1115(W)×600(H)mm(アームとプロペラを伸ばした状態)。予定価格は136万円(税別)。

 TA408-Fの特徴は、専用アプリによるサポート機能が充実していることだ。散布範囲・飛行ルートは専用アプリから簡単に設定が可能で、前後左右、散布ON/OFFも設定できる。なお、自動飛行中でも常に手動操縦に切り替えられ、すぐさまドローンを制御することが可能だ。離発着についてもアプリからコントロールし、自動離発着できるので、初心者にとっては難しい離発着を自動化できるのは嬉しい機能だ。また、プロポと専用アプリがダウンロードされたタブレット等を組み合わせて使用することで、飛行経路をリアルタイムで確認することが可能だ。専用アプリには、農薬使用量、バッテリー状態、作業経路のステータスが表示されるので、安心・安全なフライトができる。作業経路のステータスでは作業メモリー機能により、どの地点で作業を中断し、どこから作業を継続すればよいのか判断でき、散布途中で農薬がなくなってしまった際などに便利だ。それに加え、飛行時間、作業面積、高度、速度、場所等のフライトログを記録でき、データを次の散布計画の参考にすることができる。
 便利な機能として、飛行高度、速度、コンパスキャリブレーション時や、農薬やバッテリー残量が一定量を下回った際などには音声で知らせてくれる音声ガイド機能があるので、より安全で効率的な散布作業につながる。

機体前面に搭載されたFPVカメラと両脇に設置された高輝度LED。

 機体はFPVカメラと高輝度LEDが装備された「FPVユニット」を搭載しており、カメラから送られてくる映像を表示することができる。高輝度LEDは、朝明け前の散布作業において視認性を高めることに役立つ。
 機体には高度維持制御センサーが搭載され、作物との距離をリアルタイムで感知し、高度の維持を自動で行う。さらに飛行速度維持システムにより、時速15kmに維持して飛行するので、地形の起伏に関わらず、散布幅4mで1haを約12分で均一した散布を実施できる。ポンプは2個搭載しており、標準で1分間当たり800mlの散布量となる。また、きめ細かく均一な吐出が可能なスプレーノズルをモーター直下に設置することで、下方向へのダウンウォッシュを活かし、液剤を作物の根元や葉裏までしっかりと散布する。機体は工具を使わずに折り畳みが可能で、その機体幅は700mmとコンパクトサイズとなり持ち運びが容易だ。

ニックスがTEAD製ドローンの専用オプション装置を開発中

 TEADブースには、プラスチック製品を中心とした開発型メーカーであるニックスのTEAD製ドローンの専用オプション装置も展示されていた。ニックスでは、2020年にドローン搭載のアタッチメントやオプション装置を開発・製造する「D-ACT」事業を立ち上げており、さまざまなドローンメーカーと共同開発を進めている。実機が初披露となった「粒状散布ユニット」、荷物搬送ユニット「ドローンキャッチャー」、荷物昇降ユニット「ウィンチリールフック」(開発中)を紹介していた。

粒剤散布ユニット。タンク容量は10kgの予定で、肥料・薬剤・種子の散布が可能だ。
幅調整機能があるため、複数のサイズの箱を運搬することができるドローンキャッチャー。積載重量は箱重量込みで2kg。
災害地域などドローンが着陸できない場所でも物資を搬送できるウィンチリールフック。

 粒状散布ユニットは肥料・薬剤・種子の散布が可能で、さまざまな形状の散布物に対応する。ドローンキャッチャーは幅調整機能を盛り込んでおり、運搬する箱サイズに合わせて調整が可能だ(積載重量は箱重量込みで2kg)。現在開発中のウィンチリールフックは、ドローンがホバリングした状態でも荷物を下ろすことが可能で、ドローンが着陸できない場所での利用で機能性を発揮する。

 TEADは国産開発のドローンメーカーとして、農業大学校や農林大学校でのドローン授業や近年被害が多発しているスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)のドローンによる防除の実証実験など、自治体や生産者と密接に連携しており、日本の圃場に必要なドローンの開発に取り組んでいく。