ドローンの運用は操縦技術や法規制、飛行許可の申請など、導入時に最低限の専門知識が必要だ。ソフトバンクはそれらのハードルを払拭し、誰もが簡単にドローンを活用できる社会を目指したワンパッケージサービス「SoraSolution」を展示した。

ドローン点検に役立つ4つの分析管理アプリケーション

 SoraSolutionはドローンの提供、各種アプリケーションツール、サポートをパッケージにしたサービスだ。導入前のサポートからドローンの手配、飛行の申請、取得したデータの分析管理をワンストップで提供する。

 SoraSolutionの要となるのが、Analysisと呼ばれる管理・分析プラットフォームで、点検や建築土木の業務に役立つ複数のアプリケーションで構成されている。まず1つ目が差分検知機能で、ドローンで取得したデータをクラウドにアップロードすると、数分から数十分で自動分析された差分検知データが出力される。これまで、点検現場の担当者は1枚1枚の写真を見比べながら差分を確認していたが、差分検知機能を導入することで差分を一目で確認することができる。例えば、線路の保守点検では倒木などの障害物を効率的に見つけ出すことが可能になり、建設現場での進捗管理にも最適だという。

 2つ目はオルソ画像を生成するアプリケーションだ。ドローンで撮影した写真をクラウドにアップロードすることで、自動でオルソ画像が生成される。オルソ画像を使って面積や体積の算出、距離の測定、高低差の確認が可能だ。オルソ画像の生成はSolaSolutionのパッケージとして提供されるため、生成数の上限はない。ただし、1回あたりの写真点数は上限が設けられる予定だ。

 そして、3つ目はクラックの自動分析アプリケーションとなる。自動分析は画像学習したAIによるもので、クラックの発見から0.1mm単位のクラック幅の算出、クラックの長さを検知する。その後、クラックの経過を画像で読み込み、劣化の拡大などの比較も可能にした。

 最後はアプリケーションでサビを検知するAI診断だ。点検した写真をもとに、弱いサビさは黄色、強いサビは赤色といった具合に、検知したサビの進行度合いを色分けで表示する。サビの度合いをデジタル判定し、異常箇所の絞り込みを行うことで、確認作業の効率化につなげられる。

 ソフトバンクはSoraSolutionとは別に、高精度位置測位サービス「ichimill」を提供。全国3300カ所以上に設置された、ソフトバンク独自の基準点を活用することで、GNSSの位置情報を補正する。GNSSは数m前後の誤差が生じてしまうが、ichimillを利用すると誤差は数10cmに抑えることができる。ichimillを利用できるドローンはRTKを搭載したモデルが条件となり、今後はクラウド上でRTK測位を行えるサービスの提供も検討しているという。