9月1日(日)防災の日に、『令和元年度 東京都・多摩市 合同総合防災訓練』が東京都多摩市の多摩センター駅周辺で開催された。今年の2月に陸上自衛隊東部方面総監部と災害時における応援協定を締結したJUIDAは、防衛省自衛隊東京地方協力本部に協力してブース出展した。

自衛隊のテントにブースを構えるJUIDA

防災意識を高める1日

 令和元年度 東京都・多摩市 合同総合防災訓練には、小池都知事も登場してハローキティなどの着ぐるみと一緒に、防災意識を高めるイベントを盛り上げていた。午前9時から午後1時まで開催されたイベントでは、楽団による演奏や防災意識を高めるデモンストレーションなどが披露された。また、各自治体と防災機関が、災害時の各種取り組みなどを紹介し、子供向けに白バイに乗って記念撮影をしたり、自衛隊の機動バイクの前でポーズをとるなど、家族連れも楽しめるイベントとなっていた。

防災の取り組みをアピールする小池都知事
白バイで記念撮影をする子ども

 防災イベントの目的は、震災時における都、市、各防災機関との連携の強化及び自助・共助に基づく地域防災力の向上を図るため、実践的な訓練の実施にある。多摩直下地震(マグニチュード7.3)が発生したと想定し、多摩センター駅周辺会場(多摩市立多摩中央公園、パルテノン多摩、パルテノン大通り)などで、各種の訓練が実施された。合同総合防災訓練の特長は、自助・共助の理念に基づいた住民参加型の訓練による防災意識の向上と、防災機関などによる救出救助活動に、都と市が連携した物資輸送及び避難所運営にある。会場では、地域住民と地元消防団との連携による初期消火、救助、救護等の体験型訓練や「東京マイ・タイムライン」作成セミナーなどが実施された。

多摩センター駅からテントが並び、会場は家族連れで賑わった

 また、自衛隊東京地方協力本部のテントには、日本DMC、ドローン大学校、全国自動車学校ドローンコンソーシアムの代表者が集合し、自衛隊などと一緒に記念撮影を行った。

自衛隊のテントの前で記念撮影する協定メンバー

静岡県にあるドローンスクールNDMCから空撮映像をリアルタイムで転送

 自衛隊東京地方協力本部のテントに共同で出展したJUIDAのブースには、ドローンスクールNDMC(日本DMC)が、リアルタイム空撮映像をインターネット経由でLIVE中継していた。静岡県にあるドローンスクールNDMCは、現地のスタッフが2台のドローンを飛ばして、プロポに転送された映像をインターネット経由で多摩市まで配信していた。多摩市側には、LTEモデムをつないだノートPCが用意され、リアルタイムで静岡県の空撮映像を表示した。

 これらのデモンストレーションは、静岡県にあるドローンスクールNDMC近辺にて災害が発生したという想定で、災害現場の状況を自衛隊東京地方協力本部と共有するもの。展示の背景には、JUIDAとJUIDA認定スクール3校(日本DMC、ドローン大学校、全国自動車学校ドローンコンソーシアム)による災害時支援に係る協定がある。

 日本DMCでは、災害対策本部と現場が安全に目的を果たす支援ツールとして「ドローン安全運航支援アプリ STAM」を活用して、飛行関連の作業手順などを確認していた。日本DMC株式会社の小栗幹一氏は、STAMの開発目的について、次のように説明する。

 「ドローンを利用する機能はログが正確に残り優れています。ですが、人が介入する部分や作業管理などは記録が残りません。実際は、ほとんどが紙ベースで記録します。このアプリはWEBブラウザーのアカウントから自社なりのカスタマイズも可能で、デザインや設問をつくる新しいアプリです。オリジナルで作成したアプリをアカウントからログインして使用するタイプです。例えば、設計された作業手順にそって現場でチェックボックスやテキスト入力が終了した後、送信すると事務所のWEBブラウザーから確認できます。また、改ざんを防止するため、アプリは修正、変更ができません。今回の実証は、災害対策本部と現場が安全に目的を果たす支援ツールとして活用しました」

ドローンのライブ映像を紹介する日本DMC株式会社の小栗幹一氏

 STAMは、iOS専用でアップルのアプリストアからダウンロードできる。自衛隊のテントでのデモンストレーションを行ってから、JUIDAとJUIDA認定スクール3校は、防災イベントが終了した後で、自衛隊との調印式に臨んだ。