2019年11月2日。東京モーターショーの特設会場で、国際航空連盟（FAI）が日本初となる公認の国際的ドローンレース・カンファレンス『FAI Drone Tokyo 2019 Racing & Conference（以下「DTRC2019」）を開催した。レースのスペシャルスポンサーのKDDIは、5Gを活用してドローンで撮影した4K映像をリアルタイムで会場の大型モニターに中継した。また公式アンバサダーの日向坂46は、レースを盛り上げるために特別ライブを披露した。
4機のドローンでコースを3周してタイムを競う
ドローンレースは、ドローンに取り付けたカメラからの映像を競技者がFPV（操縦者視線）ゴーグルで見ながら、決められたコースを周回して順位を競うゲーム。日本初となる公認ドローンレースには、世界各国から40名が予選に参加した。一回のレースでは、4名の競技者がコースを3周して、上位入賞者が次のステージに進む。11月2日に行われたレースでは、準々決勝から競技がスタートした。各レースごとに、上位2名の勝者が準決勝そして決勝へと進んだ。競技コースは、L字型の上下構造になっている。ネットで覆われたコースの中をレースドローンは、高速で飛行する。コースの中には、180度の急旋回や高さの違うゲートなどが用意され、競技者の高度な操縦テクニックが求められる。
KDDIでは、迫力あるドローンレースの様子を会場の大型モニターにリアルタイムで映し出すために、ドローンと5Gを組み合わせたシステムを構築した。同社の経営戦略本部 次世代基盤整備室の松木友明マネージャーは、競技の開始に先立って、報道関係者にドローン×5Gの取り組みについて説明した。KDDIでは、5Gによる高速かつ超低遅延の無線通信によって「新リアル体験」が実現し、スポーツや街やエンターテイメントが「変わる」と提唱している。その変化を実感してもらうために、今回はドローンレースというエンターテイメントに注目して「5Gドローン4Kリアルタイム中継」を実現した。その仕組みは、5Gドローンに4Kカメラを搭載し、撮影した映像を超低遅延で4K大型モニターに映し出すもの。実際の現場では、プロドローンの協力により、ドローンレースの競技コースのネット内で、5Gドローンが飛行する。コースは、上下二階層の構造になっていて、迫力あるドローンの飛行を捉えるためには、レース中にカメラが上下に移動する必要がある。しかし、すべてのコースがネットで覆われているため、通常のクレーンカメラでは、ネット内での撮影が困難になる。そこで、5Gドローンがネット内で上下に移動することで、レース用ドローンがゲートをクリアする様子を間近で撮影できるようになる。
KDDI総合研究所の超臨場感通信グループの内藤整グループリーダーが、5Gドローンに取り付けた4Kカメラからの伝送システムについて解説した。内藤氏によれば、今回の5Gドローン4Kリアルタイム中継では、映像の圧縮を行うエンコーダと、復元するデコーダの双方に、超低遅延処理を加えたことで、トータルで100msec（0.1秒）以下の超低遅延4K伝送を実現したという。従来のLTE通信では、約5倍の0.5秒という遅延だったため、5Gによる体感的にタイムラグの無いリアルタイム映像が楽しめるようになった。
ドローンレースの競技者たちが並ぶステージでは、準々決勝と決勝戦の合間に、公式アンバサダーの日向坂46によるライブが行われた。ライブの熱気が冷めやらぬうちに、ドローンレースの決勝戦が行われ、その様子がKDDIの5Gドローンによって中継されていた。
▼公式アンバサダー「日向坂46」の佐々木久美さん、高本彩花さんからの特別応援コメント（第2弾）https://dtrc-ali.tokyo/news/20191025.html
▼公式アンバサダー「日向坂46」の佐々木久美さん、高本彩花さんからの特別応援コメント（第1弾）https://dtrc-ali.tokyo/news/20191017.html
