建築分野におけるドローンを活用するための技術の開発と普及、人材支援を行う日本建築ドローン協会は、3月23日に「第9回建築ドローン技術セミナー」を開催した。同セミナーは2017年に同協会が設立して以来、開催しているもので、建築分野におけるドローンの技術や活用の最新動向を解説している。
 今回は国土交通省が進める3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化プロジェクトの「Project PLATEAU」のほか、消防防災や建築施工におけるドローン利活用の最新動向、さらに4月から解禁となった建物調査におけるドローン活用の技術などについて、それぞれの専門家が解説した。

土木分野から建築分野でもドローンの利活用が進む

 建築施工におけるドローン活用の最新事情について報告したのは、日本建設業連合会(日建連)建設生産清算委員会 ICT推進部会 先端ICT活用専門部の堀内英行主査。日建連では2018年秋に会員企業63社に対してドローン活用に関するアンケートを実施し、70%にあたる44社からの回答を得ている。
 それによると約8割の会員企業がドローンを導入しており、そのほとんどがDJIの製品を利用している。企画から設計、施工、保守・点検といったフェーズでは、圧倒的に施工段での利用が多く、具体的には施工段階の進捗確認と出来高(出来形)測量といった用途での利用が多かった。

ドローンの用途は「施工段階の進捗管理」「出来高(出来形)測量」が多く、「竣工写真の撮影」「設計提案パースの背景写真等に活用」といった、いわゆる空撮でも利用されている。

 ドローンの利用をさらに広げるにあたっての課題については、安全上の問題・リスクや、航空法の規制、オペレーターの確保といった点が挙げられている。特に現場で絶対に避けなければならない第三者災害をはじめとした安全に関するものは、他の課題に比べて多くの会員企業が重要視している。これは現場でドローンという飛行体を飛ばすリスクに対する懸念の表れだという。

 さらに、堀内氏は土木の現場と建築の現場でドローンの活用度の違いを説明。対象物が土木現場では敷地というエリアのデータを取得するのに対して、建築では建物が対象となるという違いがある。そのため、主に物流施設や工場といった敷地面積が広い現場の屋外でのユースケースが多いという。

建築現場と土木現場でドローンのユースケースの違いを示した図。

 また、建築現場でドローンを活用するうえでの課題として、工事が進むにつれてGCPの再設置の回数が増えることや、躯体の立ち上がりにつれてWi-Fi切断の頻度が上がることを挙げた。あわせて躯体内部の飛行は非GPS環境となるため、安全性の担保も課題であるとしている。