国土交通省近畿地方整備局は、土砂災害が発生した緊急時を想定し、商用電源や携帯電話回線等の電力、通信インフラがないような山奥で、太陽光パネルや衛星通信を組み合わせた可搬式UAV基地を使った遠隔点検を2025年3月4日に試行する。
砂防施設は険しい山地に位置していることが多く、これまでは必要な時に人が山奥に入って点検調査をしており、施設までの移動に労力がかかることが課題であった。
UAVを遠隔で自律飛行、充電、データ転送、格納できる基地(UAV基地)を現地に設置することで、一連の点検作業を全自動で実施することが可能となり、砂防施設点検や土砂災害箇所の調査の効率化が期待される。
実施場所は、三重県名張市安部田の谷出砂防堰堤群。
砂防施設は、下流の人家などが被災しないよう土石流などの流下を防いでいる。砂防施設が適切に機能するためには、平常時や、豪雨、地震後の点検調査により、施設や流域の状態を把握することが重要となる。