2024年12月2日、テトラ・アビエーション(以下、テトラ)は、二酸化炭素の排出を抑える電動機構を採用した垂直離着陸機「Mk-7」を発表した。これに伴い、Mk-5の製造とキットモデルとしての販売は終了する。

 同社は、Mk-7を基盤とした次世代型モビリティの普及を目指すとともに、物流分野や都市間移動での活用を積極的に進めるとしている。

海が広がる景色の中を飛行するMk-7
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 Mk-7は、同社がこれまでに開発してきた機体をもとに開発した、民生用量産型の電動航空機。二酸化炭素の排出を抑える電動機構を採用し、持続可能な社会の構築に貢献する。コンパクトな設計により、都市部や山間部などの狭いスペースでも運用が可能だ。

 最新の制御システムと多数のプロペラや滑空性能を持つ翼を備え、万が一の緊急時でも安全に着陸できるよう配慮されている。これにより、パイロットによる運用だけでなく、将来的には無人運用にも対応できる柔軟性を持っている。

 同社は、Mk-7を民生用に販売するだけでなく、自社でエアタクシー事業を展開する計画を立てている。この事業を通じて、都市部と郊外をつなぐ次世代の移動手段を普及させ、低空域経済圏に新たな価値を提供するとしている。

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【teTra Mk-7 諸元】

乗員数2名
サイズ全幅 8m × 全長 8m × 全高 2m
最大離陸重量1,500kg
航続距離200km(120km)
航続時間60分(34分)
ペイロード220kg(140kg)
巡航速度140kts
最高速度160kts

※スペックは想定値、カッコ内はサービスイン当初の初期値。

「teTra Mk-7」派生モデル

 テトラは、Mk-7の機体設計と基盤技術を活用し、物流分野や調査・偵察分野での活用を視野に入れた派生モデルの開発を構想している。これにより、災害時の迅速な点検や過疎地での物資の早期輸送、航空検査の省人化といった社会課題の解決を目指す。

teTra Mk-7 Freighter
 物流用途向けモデル。航空貨物輸送用コンテナ(ULD)に代表される航空貨物業界の貨物基準に対応した機体内部構造に最適化している。当初は有人での運用を予定し、将来的には無人運用を視野に入れている。

teTra Mk-7 Surveyor
 点検・偵察・調査用途向けのモデルで、多方向に向けた高感度カメラやセンサーを搭載し、機内でデータ解析が可能。当初は有人運用を予定し、将来的には偵察や監視における無人運用を計画している。