建設技術研究所は、アルピコホールディングス、日本空港コンサルタンツ、AirX、鈴与と合同で、2024年10月11日、12日に長野県白馬村で開催された「信州次世代空モビリティ体験フェスティバル in 白馬」において、空飛ぶクルマの実証飛行を行い成功した。

 11日は約100社の事業者、12日は約1,100人(同時開催イベントを含む)以上が訪れたほか、記念式典では阿部守一長野県知事、丸山俊郎白馬村長が、次世代空モビリティの社会実装に向け取り組みを継続して推進する旨を示した。

写真:EH216-S
各社のロゴ

 長野県では、移動や物流等の制約・課題が存在する山岳県として、産学官等の関係主体が相互に連携・協力し、ドローンや空飛ぶクルマ等の次世代空モビリティを社会実装し、「空の産業革命」「空の移動革命」を早期実現することを目的に「信州次世代空モビリティ活用推進協議会」を設立し、取り組みを進めている。

 2023年度末には、取り組みの成果としてドローンや空飛ぶクルマの利活用をどう進めるか、実装に向けたビジョン・アクションプランを作成・公表した。

 今回の実証飛行は、長野県が策定・公表した「信州「空モビリティ×山岳高原イノベーション」創出ビジョン・ロードマップ」における「空飛ぶクルマの理解促進・社会受容性向上」に対応した取り組みであり、平地よりも気圧が低い山岳エリア(標高約760m)での実施となる。

 今回の実証飛行を通して、5社は今後の長野県内における本格的な社会実装に向け、以下の事項を検証した。

【検証事項】
標高の高い山岳エリアにおいて空飛ぶクルマの飛行を行う際の技術的課題の検証
白馬村内における空飛ぶクルマの離着陸場の適地に関する検討
山岳リゾートにおける空飛ぶクルマの活用シナリオの検討
空飛ぶクルマの環境負荷(騒音等)の把握

 今後、長野県内をはじめ全国各地で実証実験の実施や商用運航の可能性を検討するとしている。

実施概要

実施日時2024年10月11日(金)、12日(土)
午前・午後の計4フライト
実施場所長野県白馬村 白馬クロスカントリー競技場(スノーハープ)
主催者信州次世代空モビリティ活用推進協議会、長野県
協力白馬村
実施者アルピコホールディングス、日本空港コンサルタンツ、建設技術研究所、AirX、鈴与
飛行概要競技場エリアの周回飛行、飛行距離:1周 約400m
使用機材EH216-S(AirX所有)
動力:電力、航続可能距離:約35km
地図に示された白馬クロスカントリー競技場
写真:飛行するEH216-Sと、それを見守る人々
実施状況
写真:来乗客がEH216-Sに乗り込む様子

【各社役割】

アルピコホールディングスプロジェクトの全体統括、飛行実証補助
日本空港コンサルタンツ離着陸場選定、空域確認、飛行実証補助
建設技術研究所プロジェクトの企画・運営・全体統括補助、実証飛行イベントの統括、空飛ぶクルマの騒音計測、飛行実証補助
AirX空飛ぶクルマの機材提供・運航および安全のオペレーション
鈴与アドバイス、飛行実証補助