2024年9月3日、パーソルビジネスプロセスデザインは、デジタル庁のアナログ規制の見直しに関する技術実証事業において「火薬類取扱所の監視業務における実証」「プラント設備の定期巡回業務における実証」を実施したことを発表した。

 デジタル庁は、政府の共通指針である「構造改革のためのデジタル原則」に基づき、個人や企業が新たな付加価値を生み出しやすい社会を創るため、アナログ規制の一掃に向けた取り組みを進めている。その一環として、安全性や実効性を確認する観点から技術実証を実施している。

 14項目の技術実証のうち、類型1「火薬類取扱所の監視業務における実証」、類型5「プラント設備の定期巡回業務における実証」をパーソルビジネスプロセスデザインが主導し、人が対応している警備や点検をドローン等のデジタル技術で代替できるかを検証した。その結果、同技術実証で使用したデジタル技術群が、安全性や実効性等の多角的な観点から、アナログ規制の見直しに向けて非常に有効に働くことが分かった。

検証対象と項目、検証内容を示した表。検証対象:ドローン、固定カメラ、UGV(無人地上車両)。項目:省人化、判定制度、経済性、防犯・防火、汎用性、安全性。
実証の検証対象と項目

 同社は実証にあたり最適なプロセスを設計し、実証実験全体の管理、事業計画書の策定、検証項目の調整、実証計画書の作成、実証実験スケジュールの調整、現場の実証事業全体の管理等を実施。さらに、現地事業者との意見交換会を開催するなど、実証の実効性について確認を行った。

類型1「火薬類取扱所の監視業務における実証」

 鉱山内の火薬類取扱所における火薬類の盗難・火災防止対策として行われている見張人による監視業務について、固定カメラ、ドローン、UGV(無人地上車両)などのモビリティを活用して情報を収集し、AIによる画像解析技術、自動発報機能などのデジタル技術による代替が可能か検証した。

 この検証では、低軌道衛星の活用や、高精度位置特定システムの採用、エッジコンピューティングシステムとAIによる解析、モビリティのプラットフォームとAIプラットフォームの連携など高度な技術を用い、デジタルによる代替の実効性を確認した。

検証の全体像と実施項目のイメージ図

▼実証の詳細:類型1「ドローン、画像解析技術等を活用した監視の実証」(デジタル庁)
https://www.digital.go.jp/policies/digital-extraordinary-administrative-research-committee/technology-verification/type1

類型5「プラント設備の定期巡回業務における実証」

 プラント保安設備等の固定バルブの開閉、モーター等の作動状況、配管の劣化、計器の指示値読み取り等の定期点検を、デジタル技術を活用することによりアナログ規制の見直しが可能か技術検証を行った。

 ドローンポートによって効率的で安全なドローン運用を実現するシステムを活用するなど、複数の実施項目を通じて多角的な評価の観点を設定し、デジタル技術による代替が可能か検証した。

▼実証の詳細:類型5「IoT、センサー等を活用した設備の作動状況の定期点検の実証」(デジタル庁)
https://www.digital.go.jp/policies/digital-extraordinary-administrative-research-committee/technology-verification/type5

類型3、類型6、類型11における技術実証支援(再委託)

 KDDIスマートドローンとイームズロボティクスからの再委託で、類型3「火薬類取締法施行規則第44条及び第44条の5の検査方法に従って行う火薬類製造施設・火薬庫の土堤や防爆壁等の完成検査・保安検査」、類型6「大分県環境緑化条例第23条第1項実地調査」、類型11「鉱山保安法第26条第1項に基づく鉱山における作業監督業務」を支援。さまざまな環境における技術実証に向けての準備から実行、実施結果の整理まで幅広く業務をサポートし、両社が実証に専念するための環境整備を行った。